網尻郡

網尻郡の概要

網尻郡（あばしりぐん）は、かつて北海道の釧路国に存在した行政区画です。この郡は1879年に設立され、主に美幌町や津別町を含む地域をカバーしていました。日本の歴史の中で、網尻郡は興味深い過去を持ち、特に江戸時代における松前藩の一部としての役割が注目されます。

郡の発足までの歴史

江戸時代に網尻郡の地域は松前藩によって経営されており、地域には「クスリ場所」と呼ばれる商業エリアが存在していました。この時代、網尻郡は東蝦夷地に属しており、国防の観点から寛政11年に天領として割り当てられました。文化5年から文化7年にかけては、大塚忽太郎という幕吏が指揮し、350キロメートルにわたる道が開通しました。この道は「網走越」と呼ばれ、以降の交通に利用されました。1840年代に入ると、一時的に松前藩に復帰したが、安政2年に再び天領に戻り、仙台藩がその警護を行うことになりました。

戊辰戦争が終了した1869年には、大宝律令の国郡里制に基づいて網尻郡が釧路国内に設置され、正式に行政区画としての一歩を踏み出しました。

網尻郡発足以降の経緯

網尻郡は1879年に正式に明治政府のもとで設立されました。最初の歴史的な出来事として、明治2年の国郡里制施行により、開拓使がこの郡を管轄しました。その後、同年の冬、広島藩の領地として扱われ、また明治3年には開拓使の再管轄となりました。

1872年、全国的な行政改革の一環として、郡内に戸長や副戸長が設置されることになりました。その際、ビホロ村、ケネタンペ村、フレメム村など、いくつかの村が新たに設立され、それに伴って各村名には漢字が当てられることとなります。これにより、美幌村や古梅村などの名が誕生しました。1879年に「郡区町村編制法」が施行されると、網尻郡は正式な行政区画としての存在意義を持つことになり、その翌年には厚岸郡外六郡役所に組み込まれました。

しかし、網尻郡の命運はあまり長くは続きませんでした。1881年には北見国の網走郡に編入され、同年の7月8日には網尻郡は正式に廃止されました。

まとめ

網尻郡は多くの歴史的な変遷を経て、その存在を消し去ることになりましたが、その足跡は北海道の歴史の一部として残っています。江戸時代から明治時代にかけて、様々な行政や社会的変革が見られ、網尻郡の地域はその影響を受け続けました。消滅した郡の一つとして、後世に語り継がれることでしょう。

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