網島駅

網島駅（あみじまえき）

網島駅は、かつて大阪府大阪市北区東野田町（現在の都島区東野田町四丁目）に位置していた、旧国鉄桜ノ宮線（後に片町線に編入）の廃駅です。

概要

1895年（明治28年）に浪速鉄道が片町駅 - 四条畷駅間を開業したのが始まりです。その後、関西鉄道が大阪駅への乗り入れを目指し、放出駅から桜ノ宮駅へ至る路線を計画。ターミナル駅である片町駅の拡張が困難だったため、新たなターミナル駅として1898年（明治31年）11月18日に網島駅が開設されました。これにより、片町駅は一時的に貨物駅となりました。

関西鉄道は、網島駅をターミナルとして、名古屋駅までの路線を東海道本線に対抗する本線と位置づけ、急行列車を運行しました。しかし、1900年（明治33年）に関西鉄道が大阪鉄道を合併したことで状況は変化します。奈良市を経由するルートが本線となり、網島駅の重要性は低下しました。

1901年（明治34年）には網島駅 - 桜ノ宮駅間が開業し、網島駅は途中駅となります。1907年（明治40年）に関西鉄道が国有化され、網島駅を含む区間は桜ノ宮線となりました。しかし、1913年（大正2年）に京橋駅が開設されたことで、放出駅 - 桜ノ宮駅間の路線は廃止され、網島駅も同時に廃駅となりました。

歴史

1898年（明治31年）11月18日：開設。
1901年（明治34年）12月21日：網島 - 桜ノ宮間開業。
1907年（明治40年）10月1日：国有化。
1913年（大正2年）11月15日：桜ノ宮 - 放出間廃止に伴い廃駅。

鉄道唱歌

1900年（明治33年）に発表された『鉄道唱歌』第5集には、網島駅を起点として伊勢へ向かう歌詞が登場します。

1. 汽車をたよりに思い立つ　伊勢や大和の国めぐり　網島いでて関西の　線路を旅の始にて
2. 造幣局の朝ざくら　桜の宮の夕すずみ　なごりを跡に見かえれば　城の天守も霞みゆく

所在地および現状

現在の大阪市都島区東野田町四丁目、大阪府立東高等学校付近に位置していました。駅跡地は大阪大学工学部の敷地となりましたが、後に移転。現在は大阪府立東高等学校やNTT西日本の施設となっています。

廃線から時間が経過し、周辺の道路も変化したため、駅の痕跡はほとんど残っていません。しかし、大阪環状線の京橋 - 桜ノ宮間には、当時の橋梁が残っています。また、網島は広域地名として残り、網島公設市場（現在のスーパー・コムアミジマ）などにその名残が見られます。

隣の駅

鉄道院

桜ノ宮線

放出駅 - 網島駅 - 桜ノ宮駅

（※放出 - 当駅間には寝屋川聯絡所がありました）

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