片町駅

片町駅（かたまちえき）

片町駅は、かつて大阪府大阪市都島区に位置していた、西日本旅客鉄道（JR西日本）と京阪電気鉄道の駅でした。現在は両社とも廃止されており、その面影を偲ぶことしかできません。

歴史

国鉄・JR西日本

1895年（明治28年）8月22日：浪速鉄道の駅として開業。当時の所在地は東成郡鯰江村大字新喜多新田でした。
1897年（明治30年）2月9日：関西鉄道に譲渡。
1898年（明治31年）11月18日：旅客営業を一時廃止。
1905年（明治38年）1月1日：旅客営業を再開。
1907年（明治40年）10月1日：鉄道国有法により国有化。
1909年（明治42年）10月12日：片町線の一部となる。
1912年（明治45年）4月21日：京橋駅との乗り換え駅として、京橋口乗降場を開設。
1913年（大正2年）11月15日：京橋口乗降場が京橋駅として分離。
1970年（昭和45年）10月1日：貨物の取り扱いを廃止。
1985年（昭和60年）3月14日：荷物扱いを廃止。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化により、JR西日本の駅となる。
1988年（昭和63年）3月13日：学研都市線の愛称を使用開始。
1991年（平成3年）春頃：JR東西線工事に伴い、仮駅舎に移行。
1997年（平成9年）3月8日：JR東西線開業に伴い廃止。

京阪電気鉄道

1910年（明治43年）4月15日：京阪本線「野田橋駅」として開業。所在地は大阪市北区東野田町でした。
1925年（大正14年）6月20日：大阪市電との平面交差を設置。
1945年（昭和20年）8月14日：空襲により全焼。
1955年（昭和30年）1月1日：「片町駅」に改称。
1955年（昭和30年）1月31日：大阪市都島区東野田町へ移転。
1968年（昭和43年）12月18日：大阪市電廃止に伴い、平面交差がなくなる。
1969年（昭和44年）11月30日：廃止。

概要

片町駅は、浪速鉄道のターミナル駅として建設されました。駅名は、京街道の北側に家屋が片側にしかない「片側町」であった相生町に由来します。鯰江川と寝屋川に挟まれた狭い土地に位置していたため、駅前は非常に狭隘でした。

一時、網島駅に旅客機能を譲り貨物駅となりましたが、国有化後に京橋駅に隣接する形で京橋口が開設され、片町線終着駅としての地位を取り戻しました。しかし、京橋駅の発展に伴い、片町駅の地位は低下し、JR東西線開業と共に廃止されました。

代替として大阪城北詰駅が開業しましたが、別駅扱いとなったため、定期券などは継承されませんでした。現在、JR西日本では片町線に「学研都市線」の愛称を使用しており、「片町」の名は案内上あまり使われなくなっています。

駅構造

JR西日本

廃止時は相対式ホーム2面2線の頭端式地上駅でした。1991年までは島式ホーム1面2線と留置線2線を有する構造で、駅舎は2階建てのコンクリートモルタル造りでした。JR東西線工事に伴い、仮駅舎に移行しました。

京阪電気鉄道

相対式ホーム2面2線の配線で、新車受け入れ用の引き込み線が敷設されていました。大津線の車両もここから搬入されていました。

隣の駅

JR西日本

片町線（学研都市線）

京橋駅 - 片町駅

京阪電気鉄道

京阪本線

* 天満橋駅 - 片町駅 - 京橋駅

駅跡

JR西日本片町駅の跡地には、かつて西日本ジェイアールバス京橋営業所がありましたが、現在は民間の駐車場および洗車場となっています。京橋駅の片町線・東西線ホームの一部は、現在も都島区片町二丁目に位置しています。

利用状況

廃止年度の一日乗車人員は、JR西日本が7,565人、京阪電鉄が3,384人でした。

片町駅は、その短い歴史の中で、大阪の鉄道輸送の一翼を担ってきました。駅は廃止されましたが、その名は今もなお、地域の人々の記憶に刻まれています。

もう一度検索