緊急災害時動物救援本部

緊急災害時動物救援本部について

緊急災害時動物救援本部（以下、動物救援本部）は、大災害などの緊急時に被災した動物たち、特にペットの救護と救済を目的として設立された日本の団体です。この組織は、災害時における動物保護の重要性が認識されるようになった背景を受け、具体的な活動を展開しています。

設立の経緯

動物救援本部の設立は、1995年の阪神・淡路大震災が大きな契機となりました。当時、普及し始めたパソコン通信を通じて全国の人々が被災地の情報を共有できるようになり、これまでの災害ではあまり注目されなかった動物たちの被災状況も広く知られるようになりました。その結果、兵庫県南部地震動物救援本部が設立され、多くの義援金とボランティアが集まりました。動物救援本部は、この兵庫県南部地震動物救援本部の活動で得られたノウハウ、資材、そして資金を継承する形で、1996年に正式に設立されました。

これまでの実績

動物救援本部は、設立以来、数々の災害現場で動物たちの救護活動を行ってきました。その実績は以下の通りです。

1995年：兵庫県南部地震（設立前）
2000年：有珠山噴火災害
2000年：三宅島噴火災害
2004年：新潟県中越地震
2007年：大阪府ブルセラ病感染犬等救援
2007年：新潟県中越沖地震
2011年：東日本大震災

これらの災害において、動物救援本部は被災動物の救護活動に尽力しました。

組織構成

動物救援本部は、以下の4つの団体によって構成されています。これらの団体は、いずれも日本政府が認可した公益法人であり、動物愛護活動において重要な役割を担っています。

公益社団法人日本獣医師会
公益財団法人日本動物愛護協会
公益社団法人日本動物福祉協会
公益社団法人日本愛玩動物協会

活動内容

動物救援本部は、災害発生時に主に以下の活動を行います。

1. 被災した飼い主への支援：飼料や物資の提供、相談対応、動物の治療などを行います。
2. 動物の一時預かり：飼い主が一時的に動物を預ける必要が生じた際に、動物を保護します。
3. 迷子動物の保護と治療：災害で迷子になった動物を保護し、治療を行います。
4. 里親の募集：保護した動物たちの新しい飼い主を探します。

これらの活動は、自治体の要請に応じて行われることが多く、自治体の動物救援活動をバックアップする形で、動物救援本部が支援します。また、これらの活動を円滑に行うために、動物救援本部は平時から基金を設け、必要な資材を蓄えています。

批判について

動物救援本部の活動に対して、一部からは批判の声も上がっています。例えば、一般的なボランティア団体と比較して活動が消極的・限定的である、義援金の使途が明確に公表されていない、といった点が指摘されています。

関連情報

動物愛護団体：動物の保護と福祉を推進する様々な団体があります。
日本獣医師会：獣医師の職能団体として、動物の健康と福祉に貢献しています。
日本愛玩動物協会：ペットの適正な飼育と動物愛護を推進しています。

外部リンク

どうぶつ救援本部（緊急災害時動物救援本部）
災害時動物救護の地域活動マニュアル策定のガイドライン

動物救援本部は、災害時における動物保護の重要性を広く社会に認識させ、具体的な活動を通じて動物たちの命と健康を守るために活動を続けています。

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