総の国オープン

総の国オープン：地方競馬を彩った名物競走

総の国オープンは、千葉県船橋競馬場で開催されていた地方競馬のオープン特別競走です。2005年に創設され、2019年まで続いたこの競走は、地方競馬において全国交流競走として高い人気を誇っていました。

全国交流競走としての意義

2018年までは、数少ない地方競馬の全国交流競走として開催されていました。（中央競馬は除く）南関東以外の地方競馬所属馬にとって、1着賞金500万円（2016年）という高額賞金は、重賞競走と同等、あるいはそれ以上の魅力がありました。そのため、全国各地から実力馬が集まり、白熱したレースが繰り広げられました。地方競馬のレベル向上に貢献した競走と言えるでしょう。

競走概要と変遷

創設当初は「ふさの国オープン」という名称で、年間複数回開催されていました。2006年からは上半期を「房の国オープン」、下半期を「総の国オープン」と名称を分け、開催時期も変更されました。特に「房の国オープン」は、5月に開催されるダートグレード競走「かしわ記念」のトライアル競走として位置付けられ、優勝馬には優先出走権が与えられていました。しかし、2013年からは「かしわ記念」のトライアル競走として「柏の葉オープン」が新設され、「房の国オープン」は廃止されました。

2019年には、地方全国交流競走ではなく、南関東所属馬限定の競走となり、同年をもって廃止となりました。マリーンカップやクイーン賞といった牝馬限定のダートグレード競走と同日に開催されたこともありました。また、2005年には日本テレビ盃と同日開催ということもあり、競馬ファンの注目を集めていました。

競走条件と賞金

（2019年時点）
出走条件：サラブレッド系3歳以上
負担重量：別定
* 賞金：1着500万円、2着200万円、3着125万円、4着75万円、5着50万円

他の地方交流競走との比較

他の地方競馬場でも、地方交流競走は実施されていましたが、総の国オープンは規模や賞金の高さにおいて、他を圧倒していました。例えば、川崎競馬場では「大師オープン」や「多摩川オープン」が地方交流競走として開催されていましたが、南関東以外の所属馬の出走枠は限られていました。船橋競馬場でも、2007年に「習志野市きらっと特別」という地方交流競走が開催されましたが、出走馬数が少なく、翌年以降は開催されませんでした。

総の国オープンの歴史的意義

総の国オープンは、地方競馬の活性化に大きく貢献した競走でした。高額賞金と全国交流という枠組みは、地方競馬全体のレベル向上を促し、多くの優秀な競走馬を育成する土壌を築きました。その歴史と功績は、地方競馬史に大きな足跡を残しています。 今後の地方競馬の活性化のためにも、総の国オープンが持つ意義を改めて認識し、その精神を受け継いでいくことが重要です。 競走データはJBISサーチなどで確認できます。 総の国オープンは、地方競馬における交流競走の成功例として、今後の地方競馬のあり方を考える上で重要な指標となるでしょう。 地方競馬ファンだけでなく、競馬関係者にとっても、記憶に残る競走であったことは間違いありません。

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