総社町総社

群馬県前橋市の西部、利根川の左岸に位置する総社町総社（そうじゃまちそうじゃ）は、榛名山の南東に広がる台地上の地域です。この地は、古くから交通の要衝であり、歴史的な深さを持つことで知られています。郵便番号は371-0852です。

地名の起源とその歴史

「総社」という地名は、文献上では鎌倉時代頃から「惣社」と記されて登場します。その名の由来は、平安時代末期の11世紀後半に求められます。当時の国司が、上野国中に散在していたとされる549もの神社の神々を合祀し、神明帳を奉じて御神体とし、これを祀るために「上野国総社大明神」の社殿を建立したことに始まると伝えられています。この「惣社」が、地域の名称の起源となりました。

江戸時代に入ると、総社は要衝として様々な支配者のもとを移り変わりました。当初は総社藩の領地でしたが、寛永10年（1633年）には高崎藩領となり、その後、旗本安藤氏の知行地を経て、宝永7年（1710年）には江戸幕府の直轄領（天領）となりました。さらに寛保2年（1742年）には沼田藩、延享4年（1747年）からは前橋藩の領地となるなど、その支配関係は頻繁に変わりました。

慶長6年（1601年）、秋元越中守長朝がこの地の領主となった際、古くからの「惣社」の地（現在の元総社町周辺）から、現在の勝山地区に新たな城（総社城）と城下町を建設しました。そして慶長12年（1607年）、長朝は古来の「惣社」の地を「元惣社」と改称し、新しく築かれた城下町を「総社町」と名付けました。この出来事が、現在の「総社町」という名称と、「惣社」から「総社」への表記の変化につながったとされています。江戸時代頃からは、現在と同じ「総社」という表記が一般的になっていきました。

近代以降の行政区画の変遷

明治22年（1889年）4月1日、町村制が施行されたことにより、それまでの総社町（旧）が、近隣の高井村、植野村と合併し、西群馬郡総社町が成立しました。この際、旧総社町は新たな総社町の中の「大字総社」となりました。

明治29年（1896年）4月1日には、西群馬郡と片岡郡が統合され、群馬郡に所属することになりました。

昭和29年（1954年）4月1日、総社町は、周辺の元総社村、上川淵村、芳賀村、桂萱村、下川淵村、東村の1町5村とともに前橋市に編入されました。この編入に伴い、旧総社町を構成していた3つの大字（総社、高井、植野）には、旧町名である「総社町」が冠され、それぞれ「前橋市総社町総社」「前橋市総社町高井」「前橋市総社町植野」という町名になりました。これが現在の「前橋市総社町総社」という町名が誕生した経緯です。

その後、地域の発展に伴い、総社町総社の一部は、周辺地域との境界変更や町名新設により分離・再編されました。具体的には、昭和44年（1969年）に問屋町1丁目および2丁目の一部に、昭和50年（1975年）には石倉町1丁目から3丁目および5丁目の一部、大渡町1丁目および2丁目の一部、そして総社町1丁目から3丁目（総社町総社とは別に新設された町名）の一部に。さらに昭和51年（1976年）に高井町1丁目の一部、昭和52年（1977年）に大友町1丁目から3丁目の一部、元総社町1丁目および2丁目の一部に。そして昭和58年（1983年）にも石倉町1丁目から5丁目の一部となるなど、その区域は変化しています。

地理、交通、主な施設

総社町総社は、地域の西側に利根川が流れ、台地上に位置するという地理的な特徴を持っています。地域内には農業用水である天狗岩用水も流れています。

交通面では、地域内に国道は通っていませんが、主要な幹線道路として群馬県道6号前橋箕郷線と群馬県道15号前橋伊香保線が整備されており、市内の他地域や周辺市町村へのアクセスが比較的容易です。鉄道については、JR上越線・吾妻線の群馬総社駅が地域の近くに位置し、利用されています。

地域内には、教育施設として前橋市立総社小学校や前橋市立第六中学校、前橋市立元総社中学校があります。また、地域の歴史を知る拠点である前橋市総社歴史資料館、生活を支える総社郵便局、運転免許取得のための大渡自動車学校なども立地しています。

史跡

総社町総社およびその周辺地域には、この地の長い歴史を物語る史跡が数多く存在します。特に、古代上野国の中心地であったことを示す重要な遺跡である山王廃寺跡は、国の史跡に指定されています。また、古墳時代の歴史を伝える遠見山古墳などもあり、この地域が古くから人々の営みがあった場所であることが伺えます。

これらの歴史、地理、そして点在する施設や史跡が、現在の総社町総社を特徴づけています。

（注：世帯数や人口などの統計データは変動するため、具体的な記述は省略しています。小・中学校の学区については、前橋市の規定に基づきます。）

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