線密度

線密度とは

線密度とは、単位長さあたりに存在する、ある特性量の大きさを示す尺度です。これは、質量、電荷、その他様々な物理量に対して適用でき、工学や科学分野で広く用いられます。

線質量密度

線質量密度は、単位長さあたりの質量を表します。繊維工学においては「繊度（titer）」とも呼ばれます。

平均線質量密度の計算

長さLの棒の質量がMである場合、平均線質量密度 \( \bar{\lambda}_m \) は次のように計算されます。

\[
\bar{\lambda}_m = \frac{M}{L}
\]

質量が変化する場合

棒の長さlに沿って質量が変化する場合、質量mは位置lの関数 \( m(l) \) として表されます。

\[
m = m(l)
\]

このとき、微小長さdlの微小質量dmは、線質量密度 \( \lambda_m \) とdlの積で表されます。

\[
dm = \lambda_m dl
\]

したがって、線質量密度 \( \lambda_m \) は、質量mの長さlに関する導関数として定義できます。

\[
\lambda_m = \frac{dm}{dl}
\]

線質量密度のSI単位は、キログラム毎メートル（kg/m）です。

線質量密度の測定方法

繊維や糸の線密度は、以下の方法で測定できます。

直接測定: 材料の長さを測定し、その質量を測る最も簡単な方法ですが、試料が大きく、線密度のばらつきを無視してしまう欠点があります。また、縮れた繊維や平らに置けない場合は適用できません。
密度既知の場合: 繊維が単純な形状であれば、個別に測定できます。
SEM（走査型電子顕微鏡）: 繊維を直接撮影して直径を測定し、線密度を計算します。
振動計: 試料を固定し張力をかけ、機械的な振動を発生させて基本周波数を測定します。

線電荷密度

線電荷密度は、単位長さあたりの電荷量を表します。

平均線電荷密度の計算

長さLのワイヤの総電荷がQである場合、平均線電荷密度 \( \bar{\lambda}_q \) は次のように計算されます。

\[
\bar{\lambda}_q = \frac{Q}{L}
\]

電荷が変化する場合

棒の長さlに沿って電荷が変化する場合、電荷qは位置lの関数 \( q(l) \) として表されます。

\[
q = q(l)
\]

このとき、微小長さdlの微小電荷dqは、線電荷密度 \( \lambda_q \) とdlの積で表されます。

\[
dq = \lambda_q dl
\]

したがって、線電荷密度 \( \lambda_q \) は、電荷qの長さlに関する導関数として定義できます。

\[
\lambda_q = \frac{dq}{dl}
\]

これは線質量密度 \( \lambda_m = \frac{dm}{dl} \) を求める手順と同じです。

線電荷密度のSI単位は、クーロン毎メートル（C/m）です。

その他の線密度

図面や印刷においては、線の太さや濃さを示すために「線密度」という言葉が使われることがあります。また、確率論では、確率変数の分布を表す確率密度関数も、線密度の概念を抽象化したものとして捉えることができます。

線密度の単位

線密度を表す単位には、以下のようなものがあります。

キログラム毎メートル (kg/m)
オンス毎フィート
オンス毎インチ
ポンド毎ヤード（主に鉄道業界で使用）
ポンド毎フィート
ポンド毎インチ
デニール: 繊維の線密度を示す単位で、9,000メートルあたりの質量(グラム)で定義。
デシテクス (dtex): 繊維の線密度のSI単位で、10,000メートルあたりの質量(グラム)で定義。

関連項目

密度
柱密度
* 米坪

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