練合駅

練合駅（ねりやえき）は、かつて富山県新湊市、現在の射水市海老江練合地区に存在した富山地方鉄道射水線の鉄道駅です。同線が1980年（昭和55年）4月1日に廃止されたことに伴い、その歴史に幕を閉じました。

この駅の開業は、富山地方鉄道射水線の前身にあたる越中鉄道が、打出浜駅（後の打出駅〈2代目〉）と堀岡駅の間で路線を延伸した1929年（昭和4年）7月2日に遡ります。その後、1943年（昭和18年）1月1日には、富山県内の交通事業者が統合されたことにより、富山地方鉄道射水線の駅となりました。以来、地域住民の足として利用されてきましたが、射水線の全線廃止という時代の流れの中で、1980年（昭和55年）4月1日をもって廃駅となりました。

廃止される直前の練合駅は、線路の片側にのみホームが設置された単式ホーム1面1線を持つ地上駅でした。ホームは線路に向かって北側、すなわち新港東口方面に向かう列車から見て右手側に設けられていました。駅の運営形態としては無人駅であり、改札業務などを行う駅員は配置されていませんでした。駅舎は構内の北側にあり、ホームに直接接していました。この駅舎は待合所としてのみ機能する小ぶりな建物で、周囲に広がる田園風景の中に溶け込むような佇まいを見せていました。駅へと続く道は、周辺の水田を区切るあぜ道と一体となっており、その道は駅舎の内部をそのまま通り抜けてさらに先へと伸びているという、非常に特徴的な構造を持っていました。

駅が機能していた当時は、駅周辺には広大な水田地帯が広がっており、典型的な日本の農村風景が見られました。しかし、1980年代以降になると、「はまなす台」と名付けられた大規模な宅地開発がこの地域で進められ、かつて駅を取り囲んでいた水田は姿を消し、住宅地へと変貌しました。現在、駅周辺にかつての水田風景を見ることはありません。駅の近くを通る主要な道路としては、国道415号のほか、富山県道205号練合宮尾線、富山県道41号新湊平岡線などが挙げられます。

近隣にはいくつかの教育施設や公園があります。駅の南側には富山商船高等専門学校、現在の富山高等専門学校が位置しています。ただし、この学校は1985年（昭和60年）までは全寮制であったため、通学手段として練合駅を利用する学生は皆無だったとのことです。その他には、新湊市立東明小学校（現・射水市立東明小学校）や、憩いの場である足洗潟公園も近くにありました。

駅の廃止後、その跡地や周辺の様子は変化しました。射水線の線路が敷かれていた場所は、四方駅跡南方付近から終点であった新港東口駅付近まで、多くの区間がサイクリングロードとして整備されています。1997年（平成9年）や2006年（平成18年）、そして2010年（平成22年）の時点でも、この線路跡地がサイクリングロードとして利用されている様子が確認されています。練合駅そのものの跡地についても、2010年（平成22年）の時点では公園として整備されており、かつて列車が発着した場所は、地域住民の憩いの空間へと生まれ変わっています。

射水線が運行されていた当時の隣駅は、本江駅と海老江駅でした。具体的には、本江駅 - 練合駅 - 海老江駅という順序で駅が配置されていました。

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