縄釣の戦い

縄釣の戦いについて

縄釣の戦いは、1516年6月に下野国の上那須庄浄法寺で繰り広げられた軍事衝突であり、別名を小川縄釣の合戦とも呼ばれています。この合戦は、古河公方足利政氏の指令により、佐竹義舜と岩城由隆が大軍を編成し下野に侵攻したのに対して、宇都宮成綱とその息子である忠綱が彼らを迎え撃ったことから始まりました。宇都宮軍はこの合戦で名誉を取り戻し、佐竹・岩城連合軍を撃退しました。

合戦の背景

縄釣の戦いは、永正11年の竹林の戦いと関連しており、これらの戦いは古河公方家内の対立、すなわち永正の乱による影響を受けています。また、宇都宮成綱と佐竹義舜の間には、北関東の覇権を巡る競争も存在していました。この戦いを通じて、宇都宮軍が勝利をおさめたことにより、両氏は大きな損失を被り、政氏の派閥は更なる苦境に立たされました。

合戦の経過

144年の竹林の戦いから二年後、再び佐竹義舜は岩城由隆と協力し、下野国に対して軍を進撃させました。反対に宇都宮成綱と忠綱は、父子の連携で彼らの攻勢を防ぎます。1516年6月26日、両軍は上那須庄浄法寺で遭遇し、戦闘が開始されます。今回、宇都宮成綱は那須氏の資房と同盟関係を築いていたため、戦闘の結果、宇都宮軍は圧倒的な優勢に立ち、敵軍は撤退を余儀なくされました。

宇都宮軍の追撃

佐竹・岩城連合軍の撤退後、宇都宮成綱はさらに追撃を開始しました。戦闘は下野国武茂庄に移り、ここでも宇都宮軍が勝利を収めました。この地は宇都宮家の一族が支配していた領域であり、彼らの地理的な優位が生かされたといえます。その後、宇都宮成綱は八溝山地を越えて常陸国に侵攻し、依上保にて再び対峙しましたが、ここでも宇都宮軍が勝利を得ました。

最後の対峙

敗走する敵軍への厳しい追撃が続く中、宇都宮軍は常陸国月居にて最後の対峙を行い、ここで再び激戦が繰り広げられました。ようやく佐竹義舜と岩城由隆はこの厳しい攻撃から逃れ、退却を果たしました。この合戦は、宇都宮家の大勝利として記憶されています。宇都宮軍は合計で5000の首級を挙げ、その快挙が示す通り、勝利の余韻は長く続きました。

合戦後の影響

この戦いの結果、佐竹義舜・岩城由隆の政権はさらに弱体化し、政氏派は苦境に立たされることとなりました。また、他の勢力もこの状況を見逃さず、小山氏が高基派に寝返るにつれ、足利高基は名実ともに古河公方としてその地位を確立しました。結局、この合戦を経て宇都宮成綱の権威が高まった一方で、1516年11月8日に彼が他界したことによって、その後の状況は大きな変化を迎えることになりました。宇都宮家の権力が深化するかと思いきや、次なる年には佐竹義舜が死亡し、北関東の情勢は再度不安定さを増していきました。

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