織田長裕

織田長裕（おだ ながひろ）は、江戸時代後期の旗本で、高家旗本である織田長孺（おだ ながたか）の次男として生まれました。幼名は不明ですが、通称として仁作（じんさく）や専次郎（せんじろう）を名乗りました。また、官位としては従五位下（じゅごいのげ）・侍従（じじゅう）、そして淡路守（あわじのかみ）に叙任されています。

生涯

長裕は、天保6年（1835年）12月10日に父である長孺が隠居したことに伴い、家督を相続しました。その後、天保11年（1840年）7月20日には高家職に就任し、同時に従五位下・侍従・淡路守に叙任されています。高家職とは、江戸幕府において朝廷との儀礼や幕府の儀式などを担当する役職で、高い家格を持つ者が任じられるものでした。

しかし、嘉永7年（1854年）10月9日、長裕は病気を理由に高家職を辞任し、高家の末席に列することとなりました。その後、安政2年（1855年）3月26日には隠居し、家督を長男である織田信真（おだ のぶまさ）に譲っています。長裕の没年は慶応4年(1868年)閏4月24日とされ、享年は不明です。彼の墓は、かつての領地であった千葉県鴨川市（安房国朝夷郡真門村）に存在しています。

系譜

織田長裕の系譜は以下の通りです。

父：織田長孺
母：南部信依（なんぶ のぶより）の娘（名前は光（こう））
正室：毛利高標（もうり たかかず）の娘
継室：常子（つねこ） - 田村村資（たむら むらすけ）の次女、後に離縁
子女（生母不明）
男子：織田信真
* 男子：武田鐡之丞（たけだ てつのじょう） - 武田崇信（たけだ たかのぶ）の婿養子。明治4年（1871年）離縁。



長裕は、高家旗本という家柄であり、高家職を務めるなど、幕府において一定の役割を担っていた人物でした。しかし、病気のために職を辞し、隠居した後は、歴史の表舞台から姿を消しています。彼の子孫は、明治時代以降もその血統を受け継いでいます。

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