織田信真

織田信真は、江戸時代後期に活躍した旗本です。天保13年（1842年）に高家旗本の織田長裕の息子として江戸で誕生しました。幼少の頃は豊満寿丸と名乗り、後に織之助と称しました。

安政2年（1855年）3月26日、父である長裕の隠居に伴い家督を相続しました。しかし、家督相続後も高家職に就くことはなく、表高家衆として過ごしました。表高家内では席次が最も高い人物でした。文久3年（1863年）1月7日には、14代将軍・徳川家茂に謁見しています。

慶応4年（1868年）7月9日、新政府から本領を安堵されました。明治元年（1868年）10月14日には、太政官より「旧旗下織田織之助本領安堵ノ儀」が、大津県へと伝えられました。明治5年（1872年）10月には、江戸の薬種問屋である杉浦六三郎（後の杉浦六右衛門）の肖像写真を撮影しています。

明治9年（1876年）9月には、新橋門前町から上野池之端へと移り、横山松三郎の通天楼を改築して写真館を開業しました。秩禄処分後は写真師として生計を立てていたとされています。

信真の父は織田長裕、母は不明です。弟には武田鐡之丞がおり、明治3年（1870年）に元高家の武田崇信の婿養子となりましたが、明治4年（1871年）には離縁しています。

参考文献
熊井保、大賀妙子編『江戸幕臣人名事典』小西四郎監修、新人物往来社、1989年
国立公文書館デジタルアーカイブ『織田織之助本領安堵(PDF)』
国立公文書館蔵『旧旗下ノ者本領安堵　織田織之助』
国立公文書館蔵『旧旗下織田織之助本領安堵ノ儀大津県へ達』
国立公文書館蔵『表高家織田織之助信真　明細短冊』
国立公文書館蔵『表高家織田織之助五節句月次御礼願糺之事覚』

外部リンク
* 『幕末・明治の写真師』総覧

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