織田長迢

織田長迢（おだ ながとお）は、江戸時代前期から中期にかけて活躍した高家旗本であり、茶人としても名を残しています。通称は多門、または平八郎といい、官位は従四位下・侍従、隼人正でした。

生涯

高家旗本である織田貞置の長男として生まれた長迢は、万治2年（1659年）に部屋住みの身でありながら書院番に召し出されました。しかし、後に父である貞置が高家に就任したことで、この職を解かれています。天和2年（1682年）には、父・貞置の隠居に伴い家督を相続し、この際に弟の貞則に300石を分与したため、自身の家禄は700石となりました。

天和3年（1683年）には高家職に就任し、翌月には従四位下・隼人正に叙任されました。しかし、元禄5年（1692年）には高家職を辞職し、寄合に所属することになります。その後、元禄15年（1702年）に隠居し、家督を次男の長能に譲り、自斎と号しました。

享保3年（1718年）1月18日に77歳でこの世を去り、その墓は東海寺清光院にあります。この寺は、以後、織田家歴代の当主が葬られる場所となりました。明治時代には、15基あった供養塔が一つにまとめられています。

茶人としては、父である貞置から有楽流の茶道を学びました。

系譜

父：織田貞置
母：佐久間正勝の娘
正室：織田信昌の長女

長迢には、以下の子どもがいました。

次男：織田長能
生母不明の子女
長男：津田長経 - 病のため嫡子の地位を弟の長能に譲り、津田姓を名乗り、織田家所領の近江国神崎郡河合寺村に隠棲しました。
* 長女：鳥居忠丘室


織田長迢は、高家旗本としての職務をこなしつつ、茶人としてもその名を残しました。彼の生涯は、武家社会における役割と、文化的な活動が交錯する時代を映し出しています。

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