織田頼長

織田頼長の生涯

織田頼長（おだ よりなが）は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将であり、茶人でもありました。彼は豊臣氏の家臣として知られ、複数の別名や通称を持ちます。父は織田長益（有楽斎）、母は平手政秀の娘です。頼長は本来は長益の嫡男と考えられていますが、彼の人生は波乱に満ちたものでした。

幼少期と初期の仕官

天正10年（1582年）、頼長は信長の弟である長益の二男として生を受けます。若き日から父や兄と共に豊臣秀頼に仕官し、その職務に専念しました。頼長の名前には、秀頼からの偏諱が含まれていると考えられています。彼は「かぶき者」として名を馳せ、戦の功績を重ねたいと願っていましたが、欲望とは裏腹に、大坂城での留守居任務に留まらざるを得ませんでした。

関ヶ原の戦いとその後

慶長5年（1600年）に関ヶ原の戦いが起きると、父と兄が東軍に参加しますが、頼長は不参加となりました。戦の後、長益と長孝は武功を評価され、加増を受けました。その後、頼長は豊国社の祭礼で羽柴姓を称し、秀頼の許可を得たと思われます。

乱行と幕府の糾弾

慶長11年（1606年）、頼長は茶屋四郎次郎などと共に京都の祇園で乱行を働き、長益の激怒を買いました。この事件は彼の名声に大きな打撃を与え、後に幕府からの咎めを受けることとなります。この年には兄の長孝も亡くなっており、頼長にとって悲劇的な年となりました。

出仕と流罪

慶長13年（1608年）、頼長は秀頼の命で年賀の使者として江戸に赴き、その後、駿府城の火事見舞いの使者としても活躍しましたが、同年に再び問題を起こします。猪熊事件によって幕府から詮索を受け、流罪となりました。

大坂の陣での活動

大坂の陣では、頼長は一時的に大坂城の家政を取り仕切る役割を果たします。彼は冬の陣での籠城に参加し、初の戦場指揮を担いましたが、内部分裂や彼自身の怯えから混乱を招いたとの噂もあります。これにより、豊臣家の盟主である信頼を失ってしまいます。

隠居と最期

一時和睦を迎えた後、頼長は隠遁し、茶の湯に専念します。元和6年（1620年）に父親の長益より先に亡くなり、その享年は39でした。彼の死は、豊臣家にとってさらなる痛手となったことでしょう。頼長は京都東山に埋葬され、その後も彼の名は歴史に記憶されることとなります。

系譜

頼長は正室を持たず、本願寺教如の娘を室としたと言われています。子どもは長男の織田長好と娘の一条昭良を持っていました。頼長の家系は、豊臣家の動乱と共に波乱に満ちた運命を辿ります。最終的には、長益の死後、幕府によって領地は没収され、さらなる困難に直面することとなりました。

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