織賀邦江

織賀邦江：舞台とスクリーンを彩った女優の生涯

1922年11月6日、東京で生まれた織賀邦江は、日本の演劇史に名を刻んだ実力派女優である。本名は石橋ウララ。夫は劇作家の石崎一正。彼女のキャリアは、若き日の劇への強い憧憬から始まった。立正高等女学校在学中、滝沢修演出の舞台『どん底』を観劇したことがきっかけとなり、芸術小劇場の研究生として研鑽を積む。

その後、第一生命に入社し社長秘書を務めた後、瑞穂劇団を経て、1948年、大映に入社。『土曜夫人』で映画デビューを果たす。映画界での活動を経て、1951年には活動の中心を舞台に戻し、戯曲座に入団。その後、炎座、銀座プロと所属劇団を変えながら、舞台女優としての実力を着実に高めていく。

織賀邦江の活躍は舞台にとどまらず、テレビドラマでもその存在感を示した。NHKの『バス通り裏』、TBSの『木下恵介劇場』『泣いてたまるか』『ありがとう』、そして『東芝日曜劇場』など、数々の話題作に出演。さらに、NETの『特別機動捜査隊』、NTVの『飛び出せ!青春』、TBSの『帰ってきたウルトラマン』といった人気シリーズにも重要な役どころで出演し、幅広い視聴者から支持を得た。

彼女の出演作品は多岐に渡る。映画では『土曜夫人』『運命の暦』『いいかげん馬鹿』『夜だけの未亡人』『喜劇 女生きてます』などに出演。テレビドラマにおいても、その活躍は目覚ましく、数多くの作品で印象的な演技を披露した。これらの作品を通して、彼女は多くの観客に深い感銘を与えた。

舞台においても、数々の重要な役を演じ、その演技力は高く評価された。彼女の持ち前の演技力は、映画、テレビドラマ、そして舞台と、様々な媒体を通じて存分に発揮され、観客を魅了し続けた。

しかし、1972年11月28日、肺癌のため50歳という若さでこの世を去った。彼女の死は、日本の演劇界、そして多くのファンに深い悲しみをもたらした。

短い生涯であったが、織賀邦江は舞台、映画、テレビと様々なジャンルで活躍し、日本の演劇史に大きな足跡を残した。彼女が残した作品、そしてその演技は、人々の記憶に長く刻まれ続けるだろう。

主な出演作品

映画

土曜夫人 (1948年)
運命の暦 (1948年)
いいかげん馬鹿 (1964年)
夜だけの未亡人 (1964年)
喜劇 女生きてます (1971年)

テレビドラマ

バス通り裏 (1958年 - 1963年、NHK)
木下恵介劇場 / 記念樹 (1966年、TBS)
泣いてたまるか (1967年、TBS)
東芝日曜劇場 (TBS)
ありがとう (1970年、TBS)
特別機動捜査隊 (NET)
飛び出せ!青春 (1972年、NTV)
帰ってきたウルトラマン (1972年、TBS/円谷プロ)
小さな恋の物語 (1972年、TBS)
銭形平次 (1972年、CX)
鬼平犯科帳'71 (1972年)

舞台

検察官
夏虫
* 地熱

織賀邦江の輝かしいキャリアと、あまりにも早すぎる死は、多くの人の心に深い感銘を与え続けるだろう。

もう一度検索