置始菟

置始菟（おきそめ の うさぎ）に関する詳細

置始菟は、飛鳥時代に活躍した著名な人物で、その功績は特に672年の壬申の乱において顕著に表れています。彼は連姓を持ち、剣のように尖った戦略で数々の戦いを指揮しました。冠位は贈小錦上に任じられ、戦後もその名は人々の記憶に刻まれています。

壬申の乱における活躍

壬申の乱では、大海人皇子が生涯の決断を下し、挙兵を決意したのが672年6月下旬のことでした。彼はまず美濃国に進軍し、東国の勢力を集めました。これに対して、倭（現在の大和国）では6月29日に大伴吹負が甲冑をまとい、兵を挙げることになります。しかし、北と西から近江朝廷の軍が迫り、厳しい状況に置かれていました。

大海人皇子は、優れた指揮官たちと共に7月2日に数万兵の大部隊を伊勢国経由で倭へと向けました。その中には紀阿閉麻呂、多品治、三輪子首、そして置始菟がいました。彼らは混乱した戦況を打開するため、様々な戦略を立てて行動します。

行軍中、7月9日に紀阿閉麻呂たちが及楽山での敗北を受け、置始菟に騎兵一千を急行させました。この騎兵部隊は墨坂（現在の奈良県北東部）で大伴吹負の敗れた部隊と合流し、彼らの士気を高め、金綱井で敗走した戦士を救出しました。これによって、彼らは重要な混乱を防ぐことに成功したのです。なお、文献には日付の矛盾が指摘されていますが、多くの研究者は、この行動が9日の記述には誤りがあると考えています。

部隊が合流した後、置始菟は大伴吹負の指揮下で戦いに臨みました。続く戦闘では、壱伎韓国の軍との接触がありましたが、置始菟が実際に参加したかどうかは不明です。次第に、北方の犬養五十君の軍との戦いへと展開し、置始菟は三輪高市麻呂と共に右翼を担い、戦闘を行いました。この戦の中で大伴吹負は非常に厳しい状況に直面しましたが、置始菟らの奮闘により、敵軍を撃破し、側面から圧力をかけることで勝利に導くこととなりました。

その後も、近江朝廷の軍の襲来はなく、内戦は次第に収束していきました。7月22日には大伴吹負を除く別の将が北へ向かい、近江国の瀬田で大敗を喫した一方、内乱の終息が見えてきました。

戦後の置始菟の生涯

戦後の置始菟に関する情報はあまり残っていませんが、672年12月4日に行われた勲功者への冠位進呈式では、彼もまた官位が進められたことが記録されています。この時、彼は小山以上の高い位にまで達したと思われます。また、彼の死後には、息子の置始虫万呂が小錦上の位を受けたことが確認されています。

置始菟は天武天皇の治世の中で重要な人物として称えられましたが、彼の具体的な活動内容や日常生活は、資料に乏しいため、詳細には分かりません。情報が少ない中で、彼の功績や存在感は、当時の戦国時代における重要な要素であったことは間違いありません。

彼の名は、後世に多くの伝説や逸話を抱えて語り継がれ、飛鳥時代の重要な武将の一人として永遠に記憶されることでしょう。

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