美女木ジャンクション

美女木ジャンクション：複雑な構造と異質な交通運用

美女木ジャンクションは、埼玉県戸田市に位置し、東京外環自動車道（外環道）と首都高速5号池袋線・首都高速埼玉大宮線を接続する重要なジャンクションです。この場所は、国道17号新大宮バイパスと国道298号が交わる美女木八幡交差点とも隣接しており、複数の道路が立体的に交差する複雑な構造を持っています。

概要

このジャンクションの最大の特徴は、高速道路の本線同士が立体交差する中間層に、ランプウェイが平面交差する形で設置され、信号機によって交通整理が行われている点です。用地取得の制約からコンパクトに設計する必要があったため、このような特殊な構造が採用されました。高速道路上で信号機による交通制御が行われる箇所は非常に珍しく、かつては箱崎ロータリーや江戸橋ジャンクションにも見られましたが、現在では美女木ジャンクションのみとなっています。

一般道路部分も、新大宮バイパスが国道298号をアンダーパスしており、これらの構造を合わせると、車道だけでも5層、横断歩道橋を含めると実質6層構造という、他に類を見ない多層構造となっています。

平面交差部では、事故防止のため大径LED信号機が設置されるなど、様々な安全対策が施されています。

接続路線

C3 東京外環自動車道 (60番)
首都高速5号池袋線（終点）
首都高速埼玉大宮線（起点）

歴史

1985年10月1日：都市計画決定
1993年10月26日：首都高速5号池袋線が延伸開通し、外環道と接続。美女木JCTの部分運用開始（当初は接続方向に制限あり）
1998年5月18日：首都高速埼玉大宮線が開通し、完全運用開始

構造

一般道路部

新大宮バイパスと国道298号が平面交差しています。新大宮バイパスは交差点部をアンダーパスで直進できます。歩行者用の横断歩道はなく、平面交差部の上空に井桁状の横断歩道橋が設けられています。

高速道路部

高速道路部は、下から「外環道本線」「平面交差部」「首都高速本線」の3層構造となっています。外環道と首都高速の本線は、それぞれ片側2車線でジャンクションを直進通過します。つまり、外環道や首都高速をそのまま直進する場合には、信号機の影響を受けません。

平面交差部は、外環道と首都高速の本線から分岐したランプが十字交差点で交わり、各方面に分岐した後、再び本線に合流します。外環道方面へ向かうランプには料金所が設けられています。首都高速は、志村本線料金所や浦和南本線料金所で料金を徴収します。

「首都高速5号池袋線 → 外環道大泉方面」と「外環道三郷方面 → 首都高速5号池袋線」の左折方向は、信号に関わらず常時進行できます。ただし、「外環道大泉方面 → 首都高速5号池袋線」については、戸田出入口への交通と輻輳する恐れがあるため、信号指示に従う必要があります。また、交差点構造上、外環道の両方面からは直進できません。必ず右折または左折が必要です。

さらに、首都高速5号池袋線の下り本線から分岐したランプと戸田入口の合流部にも信号機が設置されています。

平面交差部の経緯

1993年の首都高速5号池袋線延伸開通時、埼玉県警察はジャンクション内での信号機運用による事故を懸念し、以下の通行のみを許可しました。

外環道三郷方面 → 首都高速5号池袋線（左折）
首都高速5号池袋線 → 外環道大泉方面（左折）
外環道大泉方面 → 首都高速5号池袋線（右折）

「首都高速5号池袋線 → 外環道三郷方面」の右折は許可されず、戸田南出入口から一般道を経由して外環道へ流入する措置が取られました。

1998年の首都高速埼玉大宮線開通時に、戸田出入口から埼玉大宮線方面へ直進できるようにするため、また交差点内での右折進路を制御する必要が生じ、警察の承認を得て信号運用による十字供用が開始されました。ジャンクション内の最高速度は30km/hとされ、平面交差部への案内標識は、高速での進入を防ぐために一般道路と同じ青地のものが使用されています。

外環道料金所

美女木第一料金所（三郷方面入口）

レーン数：3
ETC専用：2
一般：1

美女木第二料金所（大泉方面入口）

レーン数：2
ETC専用：1
一般・ETC：1

隣接する施設

C3 東京外環自動車道: (52)和光北IC/新倉PA - (53)戸田西IC - (60)美女木JCT - (61)戸田東IC - (62)外環浦和IC - (63)川口西IC
首都高速5号池袋線: (518)戸田出入口 - 美女木JCT
首都高速埼玉大宮線: 美女木JCT - (S551)浦和南出入口/TB

まとめ

美女木ジャンクションは、複雑な構造と特殊な交通運用により、他のジャンクションとは一線を画す存在です。高速道路上の平面交差点で信号機による交通整理が行われているという特徴は、用地の制約から生まれた特異な構造であり、訪れる際にはその複雑さと異質さを感じることができるでしょう。

ギャラリー

(ギャラリーに関する記述は省略されました。)

脚注

注釈

（注釈に関する記述は省略されました。）

出典

（出典に関する記述は省略されました。）

関連項目

鹿児島インターチェンジ：3層構造の中層で右折方向を信号機で制御する点で類似した構造を持つ
日本のインターチェンジ一覧

外部リンク

NEXCO東日本
首都高速道路

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