美山町 (福井県)

福井市美山町：歴史と自然に抱かれた地域

福井市美山町は、かつて足羽郡に存在した美山町が2006年2月1日に福井市に編入合併されたことにより誕生した地区です。周囲を山林に囲まれた、自然豊かな地域でした。この記事では、合併前の美山町の概要から、その歴史、地理、産業、教育、そして交通事情などについて詳細に解説します。

地理

美山町は福井県嶺北地方の中央部に位置し、面積の約9割を山林が占めていました。足羽川、羽生川、芦見川といった河川が流れ、豊かな自然環境が特徴です。町内は芦見、上味見、上宇坂、下宇坂、下味見、羽生という6つの地区に分けられ、それぞれに複数の集落が存在していました。それぞれの地区には、歴史と文化を物語る集落が点在しています。

歴史

美山町は、1955年2月11日に大野郡芦見村、羽生村、上味見村、下味見村、足羽郡下宇坂村、上宇坂村の合併により、足羽郡美山村として誕生しました。その後、1964年9月1日に町制を施行し、足羽郡美山町となりました。そして、2006年2月1日、丹生郡越廼村、清水町とともに福井市に編入合併され、美山町は消滅、地区名として存続することになりました。この合併により、同時に足羽郡も消滅しています。

産業

2005年の国勢調査によると、美山町の産業人口は第一次産業128人、第二次産業837人、第三次産業1,383人でした。農業、林業などの第一次産業に加え、町内には様々な企業が存在し、地域経済を支えていました。

教育

美山町には、美山中学校、下宇坂小学校、羽生小学校、美山啓明小学校、そして合併前に廃校となった芦見小学校、上味見小学校、上宇坂小学校、下味見小学校が存在していました。美山啓明小学校は、複数の小学校を統合して設立されました。2006年の合併に伴い、これらの学校は福井市立の学校となりました。

交通

美山町にはJR越美北線（九頭竜線）が通っており、越前高田駅、市波駅、小和清水駅、美山駅、越前薬師駅、越前大宮駅、計石駅がありました。また、京福バスが町内を運行し、福井市や大野市、池田町とを結んでいました。さらに、町内を走る一般国道としては国道158号、国道364号、国道476号があり、福井県道2号武生美山線、福井県道18号鯖江美山線など多数の県道が町内を走っていました。町独自のコミュニティバスも運行されていました。

観光

美山町には、称名寺、聖徳寺などの歴史的建造物や、伊自良温泉といった観光スポットが存在していました。また、赤心資料館やみらくる亭といった施設もあり、地域住民や観光客に親しまれていました。「じじぐれ祭り」といった地域独特の祭事も行われていました。

その他

美山町の市外局番は07797で、大野MAに属していました。福井市への編入後、0776に変更されました。また、著名な出身者として、前田又兵衛（前田建設工業創業者）、豊田三郎（洋画家）、清水邦広（バレーボール選手）などがいます。

結論

福井市美山町は、豊かな自然と歴史、そして人々の営みが織りなす魅力的な地域でした。2006年の合併により、新たな発展の道を歩み始めていますが、かつての美山町の面影は、今も人々の記憶と、地域に残る歴史的建造物などに息づいています。 本記事が、美山町の魅力の一端を伝えることができれば幸いです。

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