美香保公園

美香保公園

美香保公園は、北海道札幌市東区の北20条から22条、東4丁目から5丁目にまたがる地区公園です。「美香保」という名称は、特定の行政区画を指すのではなく、この公園を中心とした一帯の地域を指す名称として使われています。公園周辺には、学校や郵便局、店舗など、多くの施設が「美香保」の名を冠しており、地域の人々にとって身近な存在となっています。

園内には、札幌市美香保体育館や野球場が設置されており、運動公園としての利用が多いのが特徴です。市民の健康増進やスポーツ活動の拠点として、重要な役割を担っています。

歴史

美香保公園の歴史は、1928年（昭和3年）に、この地域を所有していた宮村朔三、柏野忠八、大塚藤四郎の3人の地主が、地域の発展のために約5000坪の土地を公園として造成したことに始まります。当初、公園は3人の頭文字を取り「ミカオ公園」と名付けられました。

1935年（昭和10年）には、より本格的な公園として整備するために札幌市に寄贈され、市はさらに2万坪の土地を買収し、公園は東区内でも有数の広さを誇るまでに拡張されました。この際、「ミカオ」という名称に「美香保」の漢字が当てられ、いつしか「ミカホ」と呼ばれるようになったとされています。

太平洋戦争中、戦況が悪化すると、公園内には空襲に備えるための施設が設置されました。高射砲4門と探照灯4基が配備され、夜間の戦闘に備えた体制が整えられました。その後、高射砲と探照灯はそれぞれ6門と6基に増強されました。

しかし、1943年（昭和18年）末から翌1944年（昭和19年）にかけて、駐屯していた照空隊は北千島へと転属し、高射砲も北方戦域へと移設されました。1945年（昭和20年）7月、札幌が空襲に見舞われた際、美香保公園と周辺の住宅地は機銃掃射を受けましたが、応戦する手段はありませんでした。残されていたのは、丸太を塗装した偽装の高射砲だったのです。

現在、野球場の近くに残る六角形のコンクリートは、当時の高射砲の台座の基礎です。非常に頑丈な構造のため撤去には多額の費用がかかることから、中央に土を盛ってスキー山として再利用されています。この遺構は、美香保公園が辿ってきた歴史を今に伝える貴重な証人となっています。

脚注

参考文献

『札幌地名考』さっぽろ文庫1
札幌郷土を掘る会『写真で見る札幌の戦跡』北海道新聞社、2010年12月28日。ISBN 978-4-89453-578-7。

外部リンク

ようこそさっぽろ - 美香保公園
札幌市 - 美香保公園野球場

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