群島 (沖縄)

群島とは

群島とは、1950年8月4日に公布された米国軍政府布令第22号「群島政府組織法」に基づいて設置された地方公共団体です。具体的には、「奄美群島」「沖縄群島」「宮古群島」「八重山群島」の4つが存在しました。これらの群島には、それぞれに独自の政府が組織され、一定の自治権が認められていました。

群島政府の組織

群島政府は、住民による直接選挙で選出された「群島知事」を長とする執行機関と、同じく住民によって選出された議員で構成される「群島議会」を議決機関としていました。この制度は、日本本土の「地方自治法」に準拠したもので、知事の公選制や住民の直接請求権などが認められていました。ただし、その権限は米国軍政府の許容範囲内での公共事務と行政事務に限られていました。

各群島政府の設置年月日は以下の通りです。

奄美群島政府 - 1950年11月25日
沖縄群島政府 - 1950年11月4日
宮古群島政府 - 1950年11月18日
八重山群島政府 - 1950年11月7日

各群島政府の組織は以下の通りです。

奄美群島政府

知事 - 副知事
知事室事務局
総務部
財政部
経済部
文教部
農務部
厚生部
工務部
法務部
監査委員会
公安委員会 - 警察本部

沖縄群島政府

知事 - 副知事
知事室事務局
弘報局
総務部
財政部
法務部
文教部
経済部
工務部
厚生部
選挙管理委員会
監査委員会
公安委員会 - 警察本部

宮古群島政府

知事 - 副知事
知事官房
総務部
財政部
文教部
厚生部
工務部
経済部
法務部
復興事業部
渉外部
公安委員会 - 警察本部
監査委員
選挙管理委員会

八重山群島政府

知事 - 副知事、秘書長
総務部
財政部
厚生部
文教部
経済部
工務部
法務部
監査委員
公安委員会 - 警察本部
選挙管理委員会

群島議会

群島議会は、各群島の議決機関であり、一定の事項について条例を制定する権限を持っていました。議員の任期は4年と定められていました。各群島の議員定数は以下の通りです。

奄美群島議会：13名
沖縄群島議会：20名
宮古群島議会：9名
八重山群島議会：7名

群島知事

群島知事は、各群島を代表する執行機関の長であり、単独で職務を遂行する独任制の機関でした。知事の任期も4年と定められていました。各群島の知事は以下の通りです。

奄美群島知事：中江実孝
沖縄群島知事：平良辰雄
宮古群島知事：西原雅一
八重山群島知事：安里積千代

群島政府の終焉

群島政府は、1952年4月1日に琉球政府が発足したことにより、その機能が琉球政府に吸収され、解体されました。これにより、各群島は琉球政府の管轄下に入ることとなりました。

関連事項

アメリカ合衆国
琉球
アメリカ合衆国による沖縄統治
琉球列島米国軍政府／琉球列島米国民政府
地方庁 (琉球政府)

外部リンク

沖縄県公文書館
* 奄美群島(世界飛び地領土研究会) - ウェイバックマシン

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