安里積千代

安里積千代（あさと つみちよ）は、1903年8月22日に沖縄県島尻郡座間味村で生まれ、1986年9月30日に83歳で没した政治家です。八重山群島政府と琉球政府において重要な役割を果たし、衆議院議員としても活躍しました。

若年期と台湾での活動

1928年に日本大学法学部を卒業後、安里は台湾に渡り、台南で弁護士として活動を開始しました。1935年には台南市会議員に選出され、政治家としてのキャリアをスタートさせました。

沖縄戦後の政治活動

沖縄戦後、安里は沖縄へ引き揚げ、1950年に八重山群島知事に選出されました。1952年に八重山群島政府が廃止され、琉球政府が成立すると、第1回立法院議員総選挙に沖縄社会大衆党（社大党）から出馬し当選、以後6期にわたり議員を務めました。1958年には社大党委員長に選出され、在日米軍軍用地問題や沖縄復帰運動、自治拡大に尽力し、1968年の革新政権誕生に大きく貢献しました。

国政への挑戦

安里は1965年の参議院選挙に無所属で全国区から出馬し、沖縄復帰を訴えましたが、69,251票にとどまり落選しました。その後、1970年の国政参加選挙で社大党公認として衆議院議員に当選し、国政の舞台へと進出しました。しかし、2期目途中で民社党へ移籍しました。

沖縄県知事選への出馬とその後

1976年には、自由民主党と民社党の推薦を受け、沖縄県知事選に出馬しましたが、革新系の平良幸市に敗れました。平良は、安里が社大党委員長時代に書記長を務めていた人物です。1978年には、その功績が認められ、勲三等旭日中綬章を受章しました。

死没と追贈

1986年9月30日、安里積千代は83歳でこの世を去りました。その死没日をもって、勲二等瑞宝章が追贈され、従四位に叙されました。

家族

長男の安里政芳は、沖縄県議会議員や民社党沖縄県連委員長を歴任した他、社会福祉事業にも力を注ぎました。また、2013年の第23回参議院選挙には、孫の安里政晃が自由民主党公認で沖縄県選挙区から出馬しましたが、現職の糸数慶子に惜敗しています。

安里積千代は、沖縄の政治史において重要な役割を果たした人物であり、その活動は今日においても高く評価されています。

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