群島国家

群島国家について

群島国家（ぐんとうこっか、英: Archipelagic state）とは、多くの島から成り立つ国家を指します。代表的な国としてはフィリピン、インドネシア、フィジー、モーリシャス、パプアニューギニア、バハマなどがあり、それぞれが独特の文化や歴史を持っています。しかし、エクアドルのガラパゴス諸島のように、特定の島が沖合に位置する大陸国家は、このカテゴリーには含まれません。

群島国家の歴史

群島国家の概念は、国際法の場でも注目されてきました。1930年には国際連盟の主導で行われた国際法法典化会議で、この制度の承認が議題となり、1958年には国連の海洋法会議でも再び提案されましたが、賛同を得ることはできませんでした。その理由は、群島に囲まれた水域を自国の主権下に置こうとする群島国家と、海洋の自由を尊重する他国との間に対立が存在したからです。群島国家が国際的に認められるには、1982年に採択された国連海洋法条約第4部での規定が待たれる必要がありました。

群島基線の制定

国連海洋法条約第48条では、群島国家の外縁に位置する島々を結ぶ直線が群島基線とされます。この基線を引く際には、国連海洋法条約第47条に基づいて、いくつかの条件が設けられています。これらの条件は、群島国家が施行される前に他国が享受していた権利を過度に侵害しないための配慮です。具体的には、基線内の水域と陸地の面積比が1:1から9:1の範囲である必要があります。また、基線全体の長さは基本的に100海里以下で制定されますが、全体の長さの3%まで増加して125海里まで認められます。

群島水域の定義

群島基線で囲まれた水域は「群島水域」と呼ばれ、この水域の内側には国の主権が及びます。ただし、群島国家はこの水域に関連した他国との既存の協定や、伝統的に認められている近隣国の漁業権を尊重する義務があります。また、群島水域に設定された外国船舶の無害通航権を保障する必要があり、特定の航路帯を指定して他国の船舶や航空機に通航を認める義務も負っています。

群島国家は、その特異な地理的特性から海洋法の適用において特別な地位を持っており、国際社会における調和と対話の重要性を再認識させる存在となっています。

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