羽幌沿海フェリー

羽幌沿海フェリー株式会社の概要

羽幌沿海フェリー株式会社は、北海道苫前郡羽幌町に本社を置く海運業者です。主な業務は、天売島と焼尻島と北海道本土を結ぶ定期航路の運航です。この会社は、先代の苫前両島定期船株式会社や両島運輸株式会社からの歴史を引き継いでいます。

航路の歴史

羽幌とその周辺の離島には、明治時代から航路が開設されていましたが、1932年に羽幌線が開通すると、既存の小樽稚内線による便は急激に減少しました。その後、1933年には江野力氏が発動機船「天羽丸」を建造し、札幌逓信局と契約したことで、苫前から焼尻、天売の郵便航送が開始されました。1934年には新たに航路が設けられ、1935年には苫前両島定期船株式会社が設立され、運航がスタートしました。

1942年には社名を両島運輸株式会社に変更し、戦後の1949年9月から国鉄羽幌線との連絡運輸を行い、羽幌港が整備されて寄港しました。

1969年にはさらなる航路の発展を迎えて、苫前寄港を廃止し、羽幌発着に集約しました。この頃から観光業の盛り上がりもあり、1970年代には船舶の大型化が進みました。

1989年には初めてのカーフェリー「フェリーおろろん」が就航し、1991年には高速船「さんらいなぁ」も登場しました。1992年には社名を羽幌沿海フェリー株式会社に改名し、古い貨客船の運航を取りやめました。

現在の運航状況

現在、羽幌沿海フェリーは、天売島と焼尻島との間で2隻の船舶体制で運航を行っています。夏季の観光シーズンには高速船とフェリーをフル稼働させ、多くの観光客を迎え入れます。しかし、秋から冬にかけては、旅客数が減少するため、高速船は運休し、フェリーのみの運航となります。これにより、最小限の運航を実現しています。

運航中の航路は、羽幌港から焼尻港へ、そして天売港へと続きます。羽幌港から焼尻港までの距離は約24kmで、高速船での所要時間は約35分、フェリーでは1時間です。焼尻港から天売港までの距離は11kmで、高速船では15分、フェリーでは25分の運航です。

使用船舶とその特徴

現在運航している代表的な船舶には、2001年に竣工したフェリー「おろろん2」と、2013年に建造された高速旅客船「さんらいなぁ2」があります。「おろろん2」は旅客定員が300名（冬季は100名）、8トントラック2台と乗用車8台を運べる能力があります。一方、「さんらいなぁ2」は旅客定員が130名で、主に繁忙期に運航されています。

まとめ

羽幌沿海フェリーは、北海道の離島と本土を繋ぐ重要な交通手段であるとともに、地域の観光にも貢献しています。歴史ある航路とともに、運航される船舶の進化が、この地域の海運業に新たな風を吹き込んでいます。今後も羽幌沿海フェリーは、安定したサービスを通じて、多くの人々の移動を支え続けることでしょう。

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