羽田野忠文

羽田野忠文の生涯と業績

羽田野 忠文（はたの ちゅうぶん）は、1917年1月1日に生まれ、2004年3月17日に亡くなった日本の政治家であり弁護士です。彼は大分県豊後大野市朝地町に生まれ、法政大学専門部法律科を1940年に卒業しました。その後、大日本帝国海軍に在籍し、法務大尉として法務関連の業務に従事しました。

戦後、羽田野氏は弁護士としてのキャリアを築き、福岡大学の教授も務めるなど、広範な知識と経験を持っていました。さらに、大分県弁護士会の会長という重要なポジションも任されており、地域社会への貢献が評価されました。また、大分県議会議員として政治活動を行い、地域発展のために尽力しました。

1970年代に入ると、羽田野氏は政治の舞台に進出します。1967年の第31回衆議院議員総選挙では大分1区に無所属で立候補しましたが、残念ながら落選しました。しかし、彼は諦めず、1969年の第32回衆議院議員総選挙には自由民主党から立候補し、初当選を果たしました。

その後、彼は衆議院議員として4期を務め、多くの役職も歴任しました。1974年11月には第2次田中角栄内閣において外務政務次官に就任し、外交政策に携わる重要な役割を果たしました。同年12月には、三木内閣においても外務政務次官として再任されました。また、1976年には三木改造内閣で法務政務次官として法整備に貢献しました。

1981年には衆議院法務委員長をつとめ、法律面での発展にも寄与しました。羽田野氏は、衆議院で活躍する中で数多くの議論を重ね、国の法律制度の改善に重要な役割を果たしました。しかし、1983年の第37回衆議院議員総選挙では落選し、これを契機に政界を引退することになります。

その後、羽田野氏は政治の第一線を退きましたが、彼の専門的な知識と経験は多くの人々に影響を与え続けました。彼は法律の分野でも多くの著作を残しており、特に著書『判例にあらわれた財産犯の理論』（酒井書店、1964年、井上正治との共著）は評価されています。この著作は、彼の思考や法律に対する視点を理解する上で貴重な資料となっています。

羽田野忠文は2004年3月17日、呼吸不全のため大分市内の病院で亡くなりました。彼の生涯は、日本の政治や法律における多大な貢献を考える上で重要なものです。彼の専門知識と先見の明は、今後の世代にとっても大きな指針となることでしょう。

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