羽茂城

羽茂城（はもちじょう）

羽茂城は、新潟県佐渡市羽茂本郷に位置する日本の城で、かつての佐渡国羽茂郡にありました。羽茂川下流右岸の標高82メートルの城山に築かれ、現在は新潟県の史跡として指定されています。

概要

羽茂城は、かつて佐渡国南方、特に南佐渡地域において最大の河港とその一帯を支配していた羽茂本間氏の居城でした。その歴史は非常に古く、本丸の位置も時代とともに変遷しています。室町時代後期から戦国時代にかけて大規模な改修が行われ、複雑な地形を巧みに利用した山城として生まれ変わりました。城の山頂には殿屋敷跡があり、東北、西北、南にはそれぞれ城跡、元屋敷・奥方屋敷跡、馬場・大手門跡などが配置されていました。

歴史

羽茂本間氏は、鎌倉時代には既に本家から分家してこの地に根を下ろしていたと考えられています。平野部には古く羽茂郡衙が置かれ、条里制の遺構も見られます。

羽茂城が築かれたのは、戦乱が激化してきた室町時代中期頃のことです。羽茂本間氏は、領土を巡って本家筋にあたる雑太（佐和田）本間氏などと度々争いを繰り返していました。しかし、天正17年（1589年）に上杉景勝による佐渡攻めが行われると、雑田本間氏、河原田本間氏、そして羽茂本間氏も上杉勢の攻撃を受け、羽茂城もついに落城しました。

落城後、羽茂城には上杉家の家臣である富永備中長綱や黒金安芸尚信らが交代で在番していましたが、1598年に上杉氏が会津へ転封となると、その後の1600年、関ヶ原の戦いで上杉氏が西軍に属したため、米沢30万石に減封となりました。これにより佐渡が江戸幕府直轄の天領となると、羽茂城も廃城となりました。

周辺

城下には、羽茂平野を中心とした佐渡市羽茂本郷の集落が広がっています。羽茂平野周辺には、西方城、清士岡城、岡田城、村山城、須川城、平城といった支城が築かれ、海に向けた防衛陣地が形成されていました。また、羽茂城の後方には、上山田城、飯岡城、大崎城、滝平等、各支城が配置されていました。羽茂平野は「羽茂太郎」とも呼ばれ、豊穣な穀倉地帯として知られていました。飯岡城付近には、佐渡一宮である度津神社があります。

また、大崎城付近には、かつて平家の家臣が落ち延びて住み着いたという集落が存在し、その地には数々の逸話が残されています。

交通

• - 小木港からバスに乗車し「羽茂高校前」で下車後、徒歩約10分。
• - 小木港から乗用車で約20分。
• - 無料駐車場あり

関連項目

• - 日本の城一覧
• - 本間氏
• - 上杉氏

もう一度検索