度津神社

度津神社について

度津神社（わたつじんじゃ）は、新潟県佐渡市羽茂飯岡に位置する神社です。佐渡国の一宮として知られ、格式の高い神社として、地域の人々から崇敬を集めています。旧社格は国幣小社で、現在は神社本庁の別表神社となっています。

祭神

度津神社の主祭神は、五十猛命（いたけるのみこと）です。五十猛命は、素戔嗚尊（すさのおのみこと）の子で、木の文化を司る神とされています。また、大屋津姫命（おおやつひめのみこと）と抓津姫命（つまつひめのみこと）も配神として祀られています。この三柱の神々は、いずれも素戔嗚尊の子であり、林業、建築業、造船業の神として信仰されています。

五十猛命は、木材を使った家や船、車の製作技術を広めた功績から、大屋毘古神（おおやびこのかみ）とも呼ばれています。また、造船技術や航海術に優れていたことから、海上・陸上の交通安全の守護神としても崇敬されています。

これらの祭神が決定されたのは、江戸時代初期に神道家の橘三喜によるものとされています。しかし、それ以前は、祭神が明確でなかったという説や、海の神を祀っていたとする説もあります。また、一宮とされるようになった経緯についても、諸説あり、必ずしも明確ではありません。

歴史

度津神社の創建については、古文書などが失われているため、詳しいことは分かっていません。しかし、『飯岡村八幡宮證文之寫』には、仲哀天皇の時代に書かれたとされる書物の存在が記されており、このことから、創建は非常に古い時代に遡る可能性が指摘されています。

延喜5年（927年）には『延喜式神名帳』に記載され、式内社に列格されました。この頃から、佐渡国の一宮として認識されるようになったと考えられています。

度津神社は、過去に何度か水害に見舞われており、社殿や古文書が流失しています。そのため、社地の変遷も複数あり、正確な位置を特定することは困難です。また、一時的に八幡宮に合祀されていた時期もあり、一宮としての地位を巡る論争も起こっています。

江戸時代には、神道家の橘三喜が全国の一宮を巡拝し、その記録を『諸国一宮巡詣記』として著しています。この記録が、現在の祭神を定める上で重要な役割を果たしたと考えられています。

明治時代に入ると、国幣小社に列せられましたが、第二次世界大戦後には旧社格が廃止されました。現在は、神社本庁が包括する別表神社となっています。

境内

度津神社の境内には、本殿、拝殿、社務所などがあります。境内は静かで落ち着いた雰囲気で、参拝者はゆっくりと過ごすことができます。

主な祭事

度津神社では、年間を通して様々な祭事が行われています。

歳旦祭（1月1日）：新年を祝う祭事
全島交通安全祈願祭（4月21日）：島全体の交通安全を祈願する祭事
例祭（4月23日）：度津神社の最も重要な祭事
全島海上安全祈願祭（4月24日）：島全体の海上安全を祈願する祭事
新嘗祭（11月23日）：収穫を感謝する祭事

現地情報

所在地：新潟県佐渡市羽茂飯岡550-4

交通アクセス：

両津港から車で約85分
小木港から車で10分
新潟交通佐渡 渡津線「一の宮前」バス停下車徒歩5分

周辺情報：

飯岡城跡
羽茂城跡

度津神社は、佐渡の歴史と文化を伝える重要な場所です。佐渡を訪れる際には、ぜひ一度参拝してみてください。

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