習李体制

習李体制の概要

習李体制（しゅうりたいせい）とは、中国共産党における第5世代の指導体制を指し、習近平党総書記と李克強首相の両者をトップとするものです。この体制は、メディアにおいては胡温体制を引き継いだ形で呼称され、政治的変動や経済改革への期待が込められていました。

発足の背景

習近平は2012年に中国共産党第17期第5回中央委員会全体会議で中央軍事委員会の副主席に就任し、李克強は党中央財政経済指導小組の副組長を担い、党と政府の主要な業務に関与することになりました。この際、2人は国家元首としての待遇を受けることもあり、メディアは両者が職務を引き継ぐことに驚きを示しませんでした。

初期の期待と現実

習近平は理系教育を受けており、法学博士の経歴を持つ一方、李克強は経済学に精通し文系出身であることから、法治主義と経済改革を重視する体制が期待されました。しかし、2016年の全国人民代表大会において、李克強が発表した演説で何度も言葉を読み間違え、習近平がその演説に対して拍手もせずに不機嫌な表情を浮かべたことから、習李体制の実態が次第に露わになり、当初の期待とは裏腹の様相を呈しました。

対立の顕在化

この年の大会では、習近平は序列第3位の張徳江への対応とは対照的に、李克強に対して冷たい態度を取り続けました。このことが、「習王体制」との言葉を生む要因となりました。王岐山は政策決定における強力なキャラクターとして見られ、李の演説の最中に席を立つなど、彼の存在はますます浮き彫りになっていきました。彼の権力基盤としても「反腐敗」は重要な要素となり、習近平と王岐山は政権運営における強力な指導者として機能しました。

現状の変化

2018年に李克強は再び総理としての任命を受けましたが、その表情は無表情であり、また、習近平の再選とともに王岐山が副主席に選出され、習王体制の確立が見られ、李克強の立場が難しくなる兆しが見えてきました。

主要構成メンバー

習李体制の主要なメンバーには以下の人物が含まれます:

• - 習近平：中国共産党中央委員会総書記・中華人民共和国主席・中央軍事委員会主席
• - 李克強：中華人民共和国国務院総理
• - 栗戦書：全国人民代表大会常務委員会委員長
• - 汪洋：中国人民政治協商会議全国委員会主席
• - 王滬寧：中国共産党中央書記処書記
• - 趙楽際：中国共産党中央規律検査委員会書記
• - 韓正：中華人民共和国国務院副総理
• - 王岐山：中華人民共和国副主席

このように習李体制は、表面的には国家の強化や経済改革を志向するものと見られていましたが、実際には内部での権力争いや支配構造の変化が顕著に見られる体制でもあるのです。

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