老上単于

老上単于（ろうじょうぜんう）

老上単于（紀元前? - 紀元前161年）は、前漢時代に匈奴を統治した単于であり、冒頓単于の子として生まれました。彼の時代は、匈奴が漢との間で複雑な関係を築いた時期として知られています。

生涯

父である冒頓単于の死後、単于の地位を継承しました。即位後、漢の文帝は皇族の娘を公主として老上単于に嫁がせ、匈奴の閼氏（皇后）としました。この婚姻の際、文帝は燕出身の中行説を付き添いとして匈奴へ送りました。しかし、中行説は匈奴に連れてこられたことを不満に思い、後に漢に背き、匈奴に仕えることになります。

当時の匈奴は、冒頓単于の時代から漢からもたらされる絹や食料を好むようになっており、老上単于もまた同様でした。中行説は、匈奴の文化が漢に染まることを危惧し、記録方法や課税方法などを教え、匈奴の国家発展に貢献しました。

紀元前166年、老上単于率いる14万騎の匈奴軍は、漢に侵攻し、多くの人民や家畜を略奪しました。文帝は軍を派遣して匈奴に対抗させましたが、老上単于は長城内に留まり、その後立ち去りました。その後も匈奴は毎年のように侵入を繰り返し、漢の民を苦しめました。漢は匈奴に使者を送り、講和を提案し、両国は一時的に友好関係を取り戻しました。

紀元前161年、老上単于は死去し、子の軍臣が単于の位を継ぎました。

妻子

閼氏（皇后）
漢の公主
子
軍臣
伊稚斜

老上単于の時代は、匈奴が漢との間で軍事的衝突と政治的交渉を繰り返した時代であり、その後の匈奴の歴史に大きな影響を与えました。

参考資料

『史記』（匈奴列伝）

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