聖寿寺 (盛岡市)

聖寿寺

聖寿寺は、岩手県盛岡市北山二丁目に位置する臨済宗妙心寺派の寺院です。盛岡藩主南部家の菩提寺であり、瑞鳩峰山報恩寺、大宝山東禅寺、宝珠盛岡山永福寺、雍護山教浄寺とともに盛岡五山（盛岡五個寺）の一つとして数えられています。また、盛岡観音三十三箇所霊場の第17番札所としても知られています。

歴史

聖寿寺の開山は三光国斎国師です。当初は三戸郡小向村（現在の青森県南部町小向）にあり、三光庵と呼ばれていました。その後、一時衰退しましたが、三戸城主である南部信直が松島の瑞巌寺の僧侶、実堂の弟子である石門を招き、中興しました。

盛岡城とその城下町が建設されると、聖寿寺は上田門前町の高源寺旧地に移転し、諸堂や庫裏が建設されました。元和4年（1618年）には寺領500石を拝領し、元禄年中に伽藍が再興されました。文化6年（1809年）から2年の歳月をかけ、江戸の感応寺（現在の天王寺）の五重塔を模して五重塔が建設されました。しかし、この五重塔は現在、初層部分のみが残っています。

藩主家の菩提寺として繁栄しましたが、明治維新以降は寺領を失い、一時衰退しました。その後、復興を経て現在に至ります。

第二次世界大戦後、末寺であった明宜庵が廃寺となったため、盛岡観音三十三箇所第17番札所としての役割を引き継ぎ、現在に至っています。

境内

境内には、文化年間に建設された五重塔の初層部分が子安地蔵堂として残っています。かつての五重塔を偲ばせるこの建物は、聖寿寺の歴史を物語る重要な遺構です。

脚注

特になし

参考文献

堀由蔵「大日本寺院総覧・下巻」（名著刊行会）
「日本歴史地名大系第3巻・岩手県の地名」（平凡社、1990年）

外部リンク

* 聖壽寺公式ホームページ

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