聖母マリア墳
墓教会(せいぼマリアふんぼきょうかい)、またの名を
聖母マリアの
墓は、
エルサレムの
オリーブ山の麓、
ケデロンの谷にある
キリスト教の聖地です。ここは
東方教会教徒によって、
イエス・キリストの母マリアが埋葬された場所とされています。1757年の宗教間合意により、聖地は「現状維持」の原則が適用され、現在もその歴史的価値が保たれています。
歴史的背景
聖母マリアの死に関する伝承では、彼女は自然死を遂げ、「眠りに落ちる」と表現されています。
聖母マリアの魂は
キリストに受け取られ、彼女の肉体は天に召されたと信じられています。3日後には彼女の
墓が空であることが発見され、その光景は
新約聖書に登場する復活の物語とも重なります。
カトリック教会の教義によれば、マリアは現世の肉体のまま被昇天したとされていますが、彼女が死を迎えたかどうかについては議論が続いています。不要とされた白布だけが
ゲッセマネの教会に保存され、後にこの白布が目的で
エルサレムの総主教庁に要求される逸話もあります。
考古学的発見
1972年、
フランシスコ会の
修道士ベラルミーノ・バガッティがこの寺院の周辺を発掘し、1世紀まで遡る古代
墓地の証拠を発見しました。彼の研究はコミュニティ考古学全体では未
査読の段階ですが、発見された
墓の構造は当時の慣習を反映しています。後の時代、地元の人々はその
墓を
聖母マリアのものであると信じるようになり、ロック面を削り他の
墓地から分かつことが行われました。
エルサレム総主教によって建設された八角形の教会も、歴史の中で幾度も破壊と再建を繰り返しました。
ムスリムにとっても重要な場所であったため、
地下室は触れられることなく残され、
十字軍の時代には再建が進められました。
教会の構造
この聖地への入口は、12世紀に造られた地下階段であり、その先には十字架の形をした教会が発見されています。階段にはマリアの両親、
ヨアキムとアンナのための礼拝堂があり、さらに聖ヨセフの礼拝堂も隣接しています。教会の東側にはマリアの
墓の礼拝堂があり、アルメニア教会と
ギリシャ正教会の祭壇が共存しています。現在、アルメニアと
ギリシャ正教会がこの聖堂の権利を有しており、一部の権利は
シリア正教会やコプト教会にも存在しています。
聖母マリアの生涯や
墓については様々な伝説が存在します。エピファニオスによれば、彼女は
エフェソスで人生の最期を過ごしたとされており、聖書には具体的な記録はありません。このため、
キリスト教徒の間で彼女の
墓に関する情報や見解は派生的であり、多くの外典の資料に基づくものとなっています。
他の伝説
他の伝説では、
トルクメニスタンの町や
インドにマリアの
墓が存在するとの主張もありますが、これらの信憑性は確認されていません。特に、
ニネヴェの
キリスト教徒の間では、別の
墓所が言及されていますが、いずれの主張も結局は学問的に裏付けられていません。
このように、
聖母マリア墳
墓教会は、信仰と歴史が絡み合った神聖な場所であり、今後も多くの人々にとって大切な意味を持つことでしょう。この教会は、
キリスト教徒や訪れる人々にとって、信仰の象徴的な存在であり続けています。