聞一多

聞一多（ぶん いった）について

聞一多は1899年11月24日に湖北省浠水県で生まれた中国の著名な詩人であり、古典文学の研究者です。彼の本名は家驊で、字は友三または友山としても知られています。清華大学に通う中で名を多と改め、学友の勧めによって「一」の字を加え、筆名の「一多」を名乗ることになりました。

幼少期と教育

聞一多は地方の名望家に生まれ、幼少期から教育に恵まれました。6歳で師のもとで『三字経』や四書を学び始め、7歳には師範学堂出身の家庭教師から国文や歴史、博物などを学びます。11歳のとき、武昌の両湖師範附属小学校に入学し、叔父の経営する私塾でも学びました。13歳の時には辛亥革命が勃発し、その影響で故郷に戻ります。

学生時代と留学

1913年、清華大学に入学後は『清華週刊』の編集に加わり、1919年の五四運動においては大学の代表団の書記を務めました。1922年からはアメリカに留学し、シカゴ美術館で美術や文学を学びながら詩集を発表するなどの創作活動を行いました。1925年に帰国すると、再び清華大学で教壇に立ちました。

戦争と疎開

日中戦争が勃発すると、聞一多は雲南省昆明にある、西南連合大学で文学部長を務めることになります。ここでは疎開した大学の統合を行いつつ、教育に専念しました。戦後は中国民主同盟の委員として活動し、国民党の政治や腐敗に対する抗議活動を行いましたが、1946年7月15日には国民党の特務機関によって暗殺される悲劇に見舞われました。

主な業績

聞一多の代表的な論文の一つに『伏犧考』があります。これは彼が西南連合大学の教授であった1942年に執筆したもので、伏羲（伏犧）と女媧が少数民族のミャオ族に関連していることについて論証しています。彼はこの論文で、両者が「中が空洞のもの」を象徴する共通の概念を持つことを指摘しました。

書籍

彼の業績は多岐にわたり、1948年には『聞一多全集』を出版しました。また、1989年には中島みどりの訳注による『中国神話』も刊行されています。有名な文学者である彼の足跡は、現代中国文学と文化において重要な役割を果たしています。彼の多彩な才能は今も多くの人々に影響を与え続けています。

外部リンクとしては、日本の聞一多学会も存在し、彼の研究や業績についての資料や情報が提供されています。

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