肇和級防護巡洋艦

肇和級防護巡洋艦について

肇和級防護巡洋艦（ちょうわきゅうぼうごじゅんようかん）は、清国が第一次世界大戦前に建造を発注した艦級であり、同型艦は計3隻存在しました。最初の2隻である肇和（Chao Ho）と應瑞（Ying Swei）はイギリスで建造され、3隻目の飛鴻（Fei Hung）はアメリカで建造された後、最終的にギリシャ海軍に引き渡されました。

1. 背景

肇和級の建造は、日本海軍の脅威に対抗するためのもので、1909年にイギリスに発注されました。肇和はアームストロング社に、應瑞はヴィッカーズ社にそれぞれ発注され、価格は肇和が210,000ポンド、應瑞が204,000ポンドでした。このように、同型艦でありながら設計や機関の細部は異なる部分が多くありました。

一方、飛鴻は中華民国へは納入されず、ギリシャが購入して軽巡洋艦エリ（Έλλη）として運用されました。

2. 船体形状と構造

本級の独特な船体形状は、平甲板型で高い乾舷を備えています。艦首には衝角が設けられ、艦首甲板には防盾付きの単装砲架を持つ「アームストロング Marks XXIII 15.2cm（50口径）速射砲」が1基設置されています。また、司令塔が置かれた船橋の後方には簡素な単脚式の前部マストが立っており、船体中央に2本の煙突が配置されています。

艦載艇は、前部マスト基部に設置されたジブ・クレーンや舷側に設置されたダビットで運用されました。前部と後部には副砲が各2基ずつ配置され、主甲板には68mmの装甲が施されており、一部は石炭庫として利用されることで、防御力が強化されています。

3. 同型艦の運命

肇和

肇和は1912年に竣工し、1937年には日中戦争で日本海軍と交戦しました。広東省の虎門要塞近くで座礁し、その後日本航空機の攻撃を受け、最終的には自沈することになりました。

應瑞

應瑞は1911年に竣工し、同様に1937年の戦いで日本海軍の航空攻撃によって大破し、自沈を余儀なくされました。これらの艦は、日中戦争の厳しい戦況の中で、その運命を閉じました。

飛鴻

飛鴻に関しては、辛亥革命によって清国には納入されず、ギリシャ海軍に引き渡されました。最終的には1940年にイタリアの潜水艦の攻撃を受けて沈没しました。

4. 結論

肇和級防護巡洋艦は、清国海軍の歴史において重要な一環を成し、その建造や戦闘の記録は当時の軍事情勢や国際関係を反映しています。これらの艦の運命は、時代背景を理解する上で貴重な資料となっています。

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