肋間神経痛

肋間神経痛とは

肋間神経痛は、肋骨に沿って走る神経が何らかの原因で痛む状態を指します。これは病名ではなく、あくまで症状を指す言葉です。原因は多岐にわたり、特定が難しい場合もあります。

原因

肋間神経痛の原因として考えられるのは、以下の通りです。

原発性: 不自然な姿勢、運動不足、疲労などにより、神経が骨や筋肉に挟まれることで起こります。
続発性: 帯状疱疹ウイルスの感染によって痛みが生じます。稀に疱疹が現れない場合もあります。
その他: 胸椎の圧迫骨折、がんの転移などが原因となることもあります。

症状の特徴

肋間神経痛の主な特徴は、以下の通りです。

姿勢を変えた時、呼吸をする時、物を持ち上げる時などに痛みが出やすい。
咳やくしゃみなど、外部からのわずかな力で肋骨を骨折するリスクがある（特に骨粗鬆症の中高年女性）。
がんの転移が原因の場合、痛みが強くて横になれず、座って寝るしかない場合もある。

東洋医学的な見方

漢方医学では、肋間神経痛の症状を以下の様に分類します。

熱鬱少陽: 胸部や肋骨の痛み、呼吸で増悪、寒熱感、胸苦しさ、口の苦味、喉の渇き、落ち着きのなさ、吐き気など。
痰飲停積: 肋骨の痛み、咳や深呼吸、寝返りで増悪、肋骨の膨張感。
肝気鬱結: 肋骨の痛み、感情の変化で増悪・軽減、胸中煩悶感（イライラ、動悸、不眠、のぼせ、発汗など）。
血瘀停着: 肋骨の刺すような痛み、場所が一定、夜間に増悪、局部の腫れ、腋窩リンパ節の腫れ。
肝陰不足: 肋骨の鈍痛、目の霞み、耳鳴り、手足の痺れ、皮膚の乾燥。
気血両虚: 痛みが弱い、疲労で増悪、休息で軽減、顔色不良、倦怠感、食欲不振。

治療法

一般的な治療法としては、以下のものがあります。

鎮痛薬の服用
患部への湿布
肋骨固定（外傷性の場合）
局所麻酔による神経ブロック
鍼治療、低周波治療（東洋医学的アプローチ）

注意点

肋間神経痛と似た症状に狭心症があります。治療を続けても改善しない場合や、痛みが周期的に続く場合は、狭心症などの他の疾患を疑い、早期に診断を受けることが重要です。

病院の受診科

原因によって受診すべき科が異なります。

脊髄の病変、捻挫などの関節異常、運動痛：整形外科
神経痛、関節の違和感、痺れ：内科

症状の原因は様々であるため、医療機関で適切な指示を受けるようにしましょう。

関連項目

神経痛

もう一度検索