肝付兼両

肝付兼両（きもつき かねふる）

肝付兼両は、幕末に活躍した薩摩藩士であり、喜入肝付氏の第11代当主として知られています。また、小松帯刀の実兄としてもその名が知られています。

生い立ちと家督相続

文政9年（1826年）、肝付兼善の長男として誕生しました。喜入肝付氏は、肝付氏12代当主・肝付兼忠の三男である兼光を祖とする庶流にあたります。天保6年（1835年）には、藩主・島津斉興の加冠により元服を果たし、武士としての第一歩を踏み出しました。弘化2年（1845年）には、父・兼善の隠居に伴い家督を相続し、喜入肝付氏の当主となりました。

藩政における活躍

嘉永7年（1854年）には勝岡地頭職に任じられ、藩政において重要な役割を担うようになりました。その後も、安政5年（1858年）には演武館掛に就任し、藩の軍事・武術の振興に尽力しました。さらに、勘定奉行、大目付、若年寄といった藩の要職を歴任し、藩政の中枢で活躍しました。

薩英戦争での指揮

文久3年（1863年）に勃発した薩英戦争では、肝付兼両は桜島に展開した横山、赤水、烏島の各砲台を指揮し、薩摩藩の防衛に大きく貢献しました。この戦いでの活躍は、彼の武将としての能力の高さを証明するものでした。

版籍奉還と晩年

明治2年（1869年）、版籍奉還により、肝付兼両は代々領有してきた喜入領を新政府に返上しました。これは、日本の近代化において大きな転換点となる出来事でした。明治17年（1884年）8月13日、肝付兼両は57歳でその生涯を閉じました。

家族

肝付兼両の家督は、長男・兼物が早世したため、次男の兼睦が相続しました。

参考文献

「喜入村郷土史」
「肝付家文書」「伴姓肝付氏系譜」

これらの文献は、肝付兼両の生涯や業績をより深く理解する上で重要な資料となります。

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