肝付兼善

肝付兼善（きもつき かねよし）

概要

肝付兼善は、江戸時代後期の薩摩藩士であり、喜入肝付家の10代目当主です。父は肝付兼般で、薩摩国喜入領主を務めました。また、中郷（現在の鹿児島県薩摩川内市中郷）の地頭職も務めました。

生涯

兼善は、家督を相続する以前に、島津斉興の娘・於富と婚約しましたが、於富は早世しました。肝付家は、子沢山な家系として知られ、他の上級家臣が島津家の子を養子に迎えるのに対し、逆に島津家分家や家臣の家に養子を出すことが多かったのが特徴です。例えば、島津久房（島津重年の外祖父）の実兄である久記の家督は、兼善の子である久通が継いでいます。

兼善自身も多くの子に恵まれ、安政2年（1855年）に急死した小松清猷の養子として、四男の尚五郎を送り出しました。尚五郎は後に小松清廉（帯刀）と名乗り、薩摩藩の家老として活躍します。また、他の子息も他家へ養子に出されています。

宅地

「鹿児島城下絵図散歩」によれば、兼善の宅地は、現在の鹿児島市山下町と荒田二丁目にありました。山下町の宅地は約2224坪、荒田の宅地は約1町4反1畝5歩でした。安政6年には、肝付左門が両方の宅地を相続しましたが、荒田の宅地は1町3反5畝23歩に減少していました。

親族

父：肝付兼般
母：二階堂蔀行充の娘
室：
島津九䡄の娘
桂右衛門の娘
島津又左右衛門の娘
子息：
長男：肝付兼両
次男：肝付兼次（夭折）
三男：肝付兼之（相良長洪の養子）
四男：肝付尚五郎（小松清猷の養子、後の小松清廉）
五男：肝付兼文（山田有秀の養子）
六男：肝付兼資（島津久厚の養子）
七男：肝付兼愛（吉利久敬の養子）

参考文献

塩満郁夫、友野春久編集「鹿児島城下絵図散歩」高城書房、2004年12月1日初版
鹿児島県歴史資料センター黎明館編集「鹿児島県史料　旧記雑録拾遺家わけ二」鹿児島県、平成3年1月22日発行

関連作品

* NHK大河ドラマ『篤姫』（2008年） - 演：榎木孝明

もう一度検索