肥富

肥富（生没年不詳）は、室町時代に活躍した九州の商人として知られています。

経歴

肥富は、室町幕府の将軍であった足利義満に対し、日明貿易の利益について説きました。その結果、1401年（応永8年）に派遣された最初の遣明使節（正使：祖阿）に副使として参加し、明へ渡航することとなりました。

人物像

肥富の出自については、安芸国（現在の広島県西部）の小早川氏の一族である小泉氏の出身であるという説が存在します。しかし、確固たる史料に基づくものではなく、あくまで推測の域を出ていません。

日明貿易への貢献

当時の日本は、中国（明）との間で正式な国交を開いていませんでした。そのような状況下で、肥富は貿易の重要性を訴え、実際に遣明使節の一員として渡航したことは、日明間の経済交流の礎を築いたという点で大きな意義があります。彼の活動は、後の日明貿易の発展に大きく貢献したと言えるでしょう。

詳細な記録が残っていないため、肥富の生涯や業績については不明な点が多いですが、室町時代という激動の時代に、国際的な視野を持って活躍した人物として、その名は歴史に刻まれています。


参考文献

デジタル版 日本人名大辞典+Plus（講談社）『肥富』- コトバンク
朝日日本歴史人物事典（朝日新聞出版）『肥富』- コトバンク

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