胆管細胞癌

胆管細胞癌の概要

胆管細胞癌（たんかんさいぼうがん）または肝内胆管癌は、胆管上皮から発生する悪性腫瘍の一形態で、肝内に見られるものを指します。原発性の肝癌の中で3%から7%を占め、近年その検出が重要視されています。これにより、早期診断と治療の重要性が一層強調されています。

分類

この癌は腫瘍の形態によって以下のように分類されます。

• - 腫瘤形成型：肝内に塊状の腫瘍を形成する。
• - 胆管浸潤型：胆管上皮に沿って広がり、視認しにくい。
• - 胆管内発育型：胆管内部に隆起が現れる。

特に胆管浸潤型はがんの広がりを把握するのが難しく、診断や治療を困難にする要因となります。また、発生部位に応じて、外周型と中心型に大別され、外周型では混合型肝癌の併発が多く見られ、診断や治療がさらに難しくなります。

原因

この癌の正確な原因は未だ不明です。一般的に肝細胞癌とは異なり、肝硬変との合併があまり見られません。日本では閉塞性慢性胆管炎がリスクファクターとして挙げられ、東南アジアでは寄生虫感染が関連していることが報告されています。最近では、ウイルス性肝炎が要因として言及されていますが、日本ではその明確な関係は示されていません。

症状

胆管細胞癌には特有の症状は存在しませんが、しばしば閉塞性黄疸を呈することが多いです。ただし、癌の進行が進むまで無症状であることも一般的です。

検査方法

胆管細胞癌の診断にはさまざまな検査が行われます。血液検査では、アルカリフォスファターゼや肝酵素、腫瘍マーカー（CEA、CA19-9、CA125など）の上昇を確認します。画像検査には超音波、CT、MRIなどがあり、特にCTでは不整形な腫瘍が描出されることが多いです。また、経皮経肝胆管造影（PTC）や内視鏡的逆行性胆管膵管造影（ERCP）を用いて胆管の状態を直接観察する方法もあります。さらに、病理学的検査により、確定診断が行われます。

治療法

胆管細胞癌の治療法にはいくつかの選択肢があります。一般的には、腫瘍を含む肝臓の切除が行われ、これは唯一の治癒を目的とした治療法とされます。腫瘤形成型には部分切除や系統切除が適応されますが、胆管浸潤型の場合は広範囲な切除が必要となることが多いです。切除不能な場合、化学療法が適用されます。また、閉塞性黄疸を改善するために、減黄術が行われることもあります。これには胆道ドレナージなどの方法があります。

予後

一般的に胆管細胞癌の予後は不良とされ、完全に切除できた場合でも5年生存率は40〜50%程度になります。一方で、切除不能な場合は生存率が10%未満にとどまります。このように、胆管細胞癌は予後が厳しい病態であり、早期発見による治療介入が重要です。

診療科

胆管細胞癌の診断や治療は、主に内科、消化器科、外科によって行われます。これらの専門知識が必要とされ、治療方針が決定されます。近年、著名な罹患者の中には大谷昭宏氏や川島なお美氏などがいます。早期発見と適切な治療が、この病気の克服に向けて不可欠です。

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