背信の門

『背信の門』（原題：Sin After Sin）は、1977年にジューダス・プリーストが発表した3枚目のアルバムであり、彼らの音楽キャリアにおいて重要な転換期を示す作品です。

制作背景と特徴

本作は、メジャー・レーベルであるCBSへの移籍後初のアルバムであり、アメリカではコロムビア・レコードから発売されました。レコーディングはザ・フーが所有するランポート・スタジオで行われ、元ディープ・パープルのロジャー・グローヴァーがプロデューサーとして起用されました。ドラムは、アラン・ムーアの脱退後、サイモン・フィリップスがサポートとして全曲に参加しています。

楽曲について

アルバムには、ジョーン・バエズが1975年にヒットさせた「ダイヤモンズ・アンド・ラスト」のカバーが収録されています。ジューダス・プリーストがカバー曲を発表したのはこれが初めてであり、シングルとしても発売されましたが、チャートインは果たせませんでした。

アルバムの成功と影響

『背信の門』は、ジューダス・プリーストのアルバムとしては初めて全英アルバムチャート入りを果たし、最高23位を記録しました。この成功を機に、バンドは新ドラマーとしてレス・ビンクスを迎え、REOスピードワゴンやフォリナーのオープニングアクトとして大規模なアメリカ・ツアーを行いました。

リマスター版とボーナストラック

2001年のリマスター版には、ボーナス・トラックとしてガン（The Gun）が1968年にヒットさせた「レイス・ウィズ・ザ・デビル」のカバーが収録されています。

収録曲

アルバムには、以下の楽曲が収録されています。

1. 罪業人 - Sinner
2. ダイヤモンズ・アンド・ラスト - Diamonds & Rust
3. スターブレイカー - Starbreaker
4. 最後の夏のバラ - Last Rose of Summer
5. 危害者 - Let us Prey/Call For The Priest
6. 不当なる弾圧 - Raw Deal
7. 孤立の涙 - Here Come the Tears
8. 異端からの反撃 - Dissident Aggressor
9. レイス・ウィズ・ザ・デビル - Race with the Devil (2001年リマスターCDのボーナス・トラック)
10. ジョウブレイカー (ライヴ) - Jawbreaker (2001年リマスターCDのボーナス・トラック)

カバーされた楽曲

「スターブレイカー」は、アーチ・エネミーによってカバーされ、アルバム『ウェイジズ・オブ・シン』のボーナスCDやシングル「バーニング・エンジェル」のカップリング曲としてリリースされました。「異端からの反撃」は、スレイヤーのアルバム『サウス・オブ・ヘヴン』やヘイルストームのEP『Reanimate 2.0: The Covers EP』でカバーされています。

参加ミュージシャン

ロブ・ハルフォード：ボーカル
K. K. ダウニング：リードギター
グレン・ティプトン：リードギター
イアン・ヒル：ベース
* サイモン・フィリップス：ドラムス

『背信の門』は、ジューダス・プリーストの音楽性を大きく広げ、後のヘヴィメタルシーンに多大な影響を与えた作品として、今もなお高く評価されています。

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