胡応麟

胡応麟（こ おうりん）

胡応麟（1551年 - 1602年）は、中国明代の学者として知られています。字は元瑞または明瑞、号は少室山人、時羊生。

生涯

胡応麟は、南京の官吏であった胡僖の子として、蘭谿（現在の浙江省金華市蘭谿市）に生まれました。幼い頃から詩作に才能を発揮し、万暦4年（1576年）に挙人となります。しかし、万暦11年、14年、23年、27年の会試に合格することはなく、官吏として登用されることはありませんでした。失意の中、彼は山中に隠棲し、読書に没頭する生活を送ります。貧困にあえぎながらも書物を収集することをやめず、その数は4万冊に及んだと言われています。

彼の学問は、経史子集といった古典にとどまらず、儒家、仏教、道教にまで及びました。その該博な知識を基に、多くの編纂書や著作を世に残しています。

また、従来の史書における「小説」のジャンルの分類があまりに雑多であると考え、志怪、伝奇、雑録、叢談、辯訂、箴規の6種類に分類するという功績も残しています。

主な著作

胡応麟は、生涯にわたり多数の著作を著しました。以下にその一部を紹介します。

『少室山房筆叢』正集36巻・続集16巻
『少室山房類稿』120巻・『続稿』15巻：王世貞の形式に準拠
『詩藪』20巻
『経籍会通』4巻
『史書佔畢』6巻
『九流緒論』3巻
『四部正譌』3巻
『三墳補遺』2巻：『竹書紀年』・『逸周書』・『穆天子伝』に関する記述を含む
『二酉綴遺』2巻：小説家の言葉を採録
『華陽博議』2巻
『荘嶽委譚』2巻：『水滸伝』の作者を施耐庵であるとしている
『玉壺遐覧』4巻
『双樹幻鈔』3巻
『丹鉛新録』8巻
『藝林学山』8巻：楊慎の作品を論駁

参考文献

『明史』 卷287 ・世貞伝
『明儒学案』
呉晗『胡応麟年譜』

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