能登半島 (石川さゆりの曲)

石川さゆり「能登半島」

「能登半島」は、1977年5月10日にリリースされた石川さゆりの16枚目のシングルです。前作「津軽海峡・冬景色」に続くご当地ソングとして、北島三郎の「加賀の女」と並び、1970年代の石川県を代表する楽曲の一つとして広く知られています。

楽曲の特徴

この曲は、恋に焦がれる女性の心情が、能登半島の夏から秋にかけての美しい情景とともに描かれています。三連符を多用したメロディーラインは、前作の「津軽海峡・冬景色」のスタイルを踏襲しており、聴く人の心を捉えます。

「能登半島」の大ヒットは、能登半島への観光客増加に大きく貢献したと言われています。楽曲が持つ魅力が、多くの人々に能登の地への関心を抱かせ、観光へと繋がったと考えられます。

リリースと収録アルバム

シングル盤レコードは日本コロムビアから発売されましたが、その後、石川さゆりがポニーキャニオン、テイチクエンタテインメントへとレコード会社を移籍したことに伴い、各社から発売されたベスト・アルバムにも収録されています。

NHK紅白歌合戦での披露

石川さゆりは、1977年末の『第28回NHK紅白歌合戦』に初出場しましたが、その際に歌唱した曲は「津軽海峡・冬景色」でした。「能登半島」が紅白歌合戦で初めて披露されたのは、それから26年後の2003年末の『第54回NHK紅白歌合戦』でした。さらに、2024年末の『第75回NHK紅白歌合戦』では、その年の元日に発生した能登半島地震を受け、前回披露した第54回以来、21年ぶり2回目の歌唱披露が決定しています。

制作秘話

作詞を手掛けた阿久悠は、「津軽海峡・冬景色」の大ブレイク後、「『石川さゆり』だから、次回はさゆりちゃんの出身地の曲を書いてあげるね」と石川に語り、「能登半島」を次シングルにしたとされています。しかし、石川の出身地は石川県ではなく熊本県であり、翌1978年7月には、熊本県・阿蘇山を舞台にした「火の国へ」がリリースされています。

収録曲

1. 能登半島（3分42秒）
2. 帰りたくない（3分20秒）

両曲ともに、作詞：阿久悠、作曲・編曲：三木たかしが担当しています。

参考文献

『かが・のと歌謡曲百選』 - 北國新聞社（1994年）

関連項目

1977年の音楽
* 中部地方のご当地ソング一覧（石川県）

もう一度検索