膝十字固め

膝十字固め：歴史と技法、格闘技における扱い

膝十字固めは、柔術、柔道、総合格闘技、プロレス、サンボ、ブラジリアン[[柔術]]など、様々な格闘技で用いられる関節技です。相手の膝関節を極めることで勝利を目指します。英語では「ニーバー (Knee bar)」と呼ばれ、その他にも「膝じん帯固め」、「足挫十字固」、「ストレートニーロック」、「ストレート・レッグ・バー」といった別名も存在します。

技の詳細

膝十字固めは、主にハーフガードポジションで相手をコントロールしている状況下で有効な技です。相手の片足を自分の体で挟み込み、両膝で相手の膝を絞り込みます。この時、相手の膝を支点として、自身の体重と体勢を利用して関節を極めていきます。腕ひしぎ十字固めと同様に、相手の膝関節を可動域を超えて強制的に曲げることで、激しい痛みを与え、タップを奪います。

技をかける際のポジションは様々で、相手の背後を取っている状態や、立った状態からでも可能です。サンボにおける「ビクトル式膝十字固め」は、立ち状態からかける代表的な技です。

歴史

膝十字固めの歴史は古く、1921年の第8回全国高専柔道大会で初披露されました。当時「足の大逆」と呼ばれていたこの技は、試合を一時中断させるほどの騒動を引き起こしました。この大会では、旧制第四高校（現在の金沢大学）と六高の準決勝戦で繰り出され、禁止技の足緘と同様の技だとする四高側の主張と、六高側の反論が激しく対立しました。

その後、高専柔道では禁止技となりましたが、スポーツサンボ（1938年創始）、ブラジリアン[[柔術]]などでは、足緘とは別個の技として扱われ、規制の程度は競技によって異なります。

柔道においては、1925年の講道館および大日本武徳会の柔道試合審判規程で禁止技となり、1928年の『柔道精解』や1930年の『明治神宮競技規則 再版』にも、明治神宮競技大会の審判規定で禁止が明記されていなかった時期を経て、1929年の昭和天覧試合でも禁止されました。1950年に日本で旗揚げした国際柔道協会のプロ柔道でも禁止技であったとされていますが、その後の扱いについては諸説あります。

ブラジリアン[[柔術]]においては、国際ブラジリアン[[柔術]]連盟および国際[[柔術連盟]]の規定により、白帯、青帯、紫帯、そしてU18以下の選手については禁止技となっています。2022年には、国際[[柔術連盟]]がU16以下のみの禁止から、年齢と階級を拡大して禁止範囲を拡張しました。

各格闘技における扱い

膝十字固めは、競技によって扱いが大きく異なります。スポーツサンボでは全カテゴリーで許可されていますが、柔道やブラジリアン[[柔術]]では年齢や階級によって禁止されている場合が多いです。総合格闘技では、有効な関節技として認められていますが、反則となる危険性も伴うため、熟練した選手のみが使用できる高度な技と言えるでしょう。

まとめ

膝十字固めは、その歴史と技術的な複雑さから、多くの格闘技で議論の的となってきた技です。各競技のルールを理解し、安全に技を練習・実践することが重要です。

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