膠済線

膠済線について

膠済線（こうさいせん）は、中国の山東省に位置する、済南と青島を結ぶ全長約393kmの鉄道路線です。この路線は、山東省の経済と交通において重要な役割を果たしており、省内を横断する大動脈として機能しています。

概要

膠済線は、膠州湾に面する青島と、山東省の省都である済南を結び、山東省の東西を結ぶ重要な路線です。また、邯済線と一体となり、山西省で産出される石炭を青島や煙台の港へ輸送する南ルートとしても機能しています。このため、貨物輸送においても重要な役割を担っています。

歴史

膠済線の歴史は、19世紀末に遡ります。

1898年: 清朝とドイツ帝国が独清条約を締結し、ドイツは膠州湾を99年間租借し、山東省での鉄道敷設権を獲得しました。
1899年: ドイツは山東鉄路公司を設立し、膠済線の建設に着手しました。しかし、建設に対して地元住民からの反対運動が起こり、一時的に工事が中断されました。
1901年: 青島から膠州までの区間が開通し、その後、1904年に全線が開通しました。
1914年: 第一次世界大戦中に日本が膠済線を占領しました。
1922年: 山東還付条約によって、日本はドイツから奪った膠済線の権利を中国に返還しました。
1937年頃: 日中戦争中に再び日本軍が膠済線を占領し、華北交通の運営下となりました。この時期に、京滬線との接続工事が行われました。
1945年: 第二次世界大戦終結後、膠済線は中国の管理下に戻りました。
1959年: 複線化工事が開始されましたが、文化大革命の影響で度々中断されました。
1990年: 長期にわたる工事を経て、複線化が完了しました。
2003年: 電化工事が開始され、2005年に全線電化が完了しました。これにより、山東省初の電化路線となりました。
2005年: 全国的な鉄道スピードアップ政策により、青島〜済南間の所要時間が短縮されました。
2007年: 新幹線をベースとした高速列車が導入され、最高時速250kmでの運行が開始されました。
2008年: 膠済線において列車事故が発生し、多数の死傷者が出ました。（山東省列車衝突事故を参照）

接続路線

膠済線は、以下の路線と接続しています。

藍村駅: 藍煙線
膠州駅: 膠新線、膠黄線
済南駅: 京滬線、邯済線

その他の情報

膠済線は、中国の鉄道網において重要な役割を果たしており、旅客輸送と貨物輸送の両面で活躍しています。近年では、高速鉄道の導入や電化工事によって、輸送能力と利便性が向上しています。

また、関連事項として以下のものがあります。

山東還付条約
華北交通
CRH2型電車
山東省列車衝突事故
* 膠済旅客専用線

この路線は、山東省の発展に大きく貢献しており、これからもその重要性は変わらないと考えられます。

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