自然遺産 (世界遺産)

自然遺産とその評価

ユネスコが登録する世界遺産は、特性に応じて「文化遺産」「自然遺産」「複合遺産」と分類されています。本記事では「自然遺産」に焦点を当て、その詳細や評価基準について解説します。

自然遺産の分類

自然遺産は、国際自然保護連合（IUCN）によって評価されます。このため、自然遺産はIUCNの定める自然保護区域の分類によってグループ分けされることが一般的です。国際的に認められたこの分類は、保護の必要性や観光資源としての価値を示す指標にもなります。

以下は、IUCNによる自然遺産のカテゴリーとその例です。

• - Ia（厳正保護地域）: ゴフ島野生生物保護区（イギリス領）、マデイラ島の照葉樹林（ポルトガル）、ツィンギ・デ・ベマラ厳正自然保護区（マダガスカル）
• - Ib（原生自然地域）: 白神山地（日本）
• - II（国立公園）: シミエン国立公園（エチオピア）、イエローストーン国立公園（アメリカ）、グロス・モーン国立公園（カナダ）
• - III（天然記念物）: 黄龍の景観と歴史地域（中国）、ハロン湾（ベトナム）
• - IV（種と生息地管理地域）: エオリア諸島（イタリア）、シュンドルボン（バングラデシュ）、ヴァレ・ド・メ自然保護区（セーシェル）
• - V（景観保護地域）: ピアナのカランケ、ジロラータ湾、スカンドーラ自然保護区（フランス）、武陵源の自然景観と歴史地域（中国）、グレート・バリア・リーフ（オーストラリア）
• - VI（資源保護地域）: ワディ・アル・ヒタン（エジプト）、ンゴロンゴロ保全地域（タンザニア）、雲南保護地域の三江併流群（中国）

自然遺産の登録基準

自然遺産として登録されるには、以下の基準が設けられています。

1. 基準 (7): 特に優れた自然美を有する地域や現象。この基準が適用される例には、サガルマータ国立公園（ネパール）、キリマンジャロ国立公園（タンザニア）などがあります。
2. 基準 (8): 地球の歴史における重要な段階を示す顕著な見本。ワディ・アル・ヒタン（エジプト）、フレデフォート・ドーム（南アフリカ）などが該当します。
3. 基準 (9): 注意が必要な生態系や動植物群集の進化過程を示すもの。白神山地（日本）や東レンネル（ソロモン諸島）が一例です。
4. 基準 (10): 生物多様性を保全するために重要な自然生息地を含むもの。オカピ野生生物保護区（コンゴ民主共和国）、ニョコロ＝コバ国立公園（セネガル）などが当てはまります。

これらの基準は、同時に複数の項目が適用されることも多く、例えば、雲南保護地域の三江併流群やグレート・バリア・リーフなどは、4つ全ての基準が適用されている国際的に認められた自然遺産です。

自然遺産の重要性

自然遺産の登録は、地球環境や生物多様性に対する保護の重要性を世界に示すものです。また、観光資源としても評価され、地域の経済に寄与することが多くあります。しかし、その保護には継続的な努力が必要です。

関連項目と外部リンク

自然遺産に関連する情報を更に知りたい方は、以下の項目やリストを参照してください。

• - 世界遺産
• - 文化遺産
• - 複合遺産
• - 日本の世界遺産

さらに、UNEPによる自然遺産・複合遺産のリストも役立つ情報源です。

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