興正寺 (名古屋市)

興正寺の詳細

興正寺（こうしょうじ）は、愛知県名古屋市昭和区八事本町78に位置する真言宗系の寺院です。この寺は高野山真言宗に属し、八事山という山号を持ち、通称として八事観音と呼ばれています。本尊は大日如来であり、寺院は境内が西側の普門院と東側の遍照院に分かれています。近くに名古屋市が管理する興正寺公園があり、その境内には交番と参拝者用の立体駐車場が設けられています。これらの施設は2012年度のグッドデザイン賞を受賞しました。

歴史

興正寺の歴史は1686年（貞享3年）、高野山で弘法大師（空海）の五鈷杵を授かった天瑞圓照が草庵を結んだことに始まります。1688年には尾張藩の二代目藩主である徳川光友の帰依を受け、「八事山遍照院興正律寺」という寺号を賜りました。以来、尾張徳川家の祈願寺として栄え、この地は「尾張高野」として知られるようになりました。興正寺は高野山真言宗の別格本山としても位置付けられています。

霊場としての役割も重要で、昭和30年頃には大名古屋十二支の恵当寺として卯年の守護本尊である文殊菩薩を祭るようになり、1987年（昭和62年）にはなごや七福神の一つ、寿老人の霊場としても知られるようになりました。

伽藍

興正寺にはいくつかの重要な建物が存在し、それぞれが独自の文化的価値を持っています。特に五重塔は文化5年（1808年）に入仏し、愛知県内では唯一現存する木造五重塔として昭和57年（1982年）に国の重要文化財に指定されています。また、本堂（阿弥陀堂）には寿老人も奉られています。

他にも、総門や中門、東山門、能満堂、大日堂、観音堂、弘法堂、不動堂など多様な建物が存在します。特に観音堂は安政4年（1857年）に再建されたもので、本尊は秘仏の聖観音立像です。また、興正寺はまたの名を名古屋二十一大師霊場第21番札所、東海三十六不動尊霊場第36番札所、尾張三十三観音霊場の33番札所として知られています。

行事

興正寺では定期的に行事が開かれています。毎月5日と13日には縁日が設けられ、露店が出店されます。また、2月には節分厄除祈祷会や星祭御札祈祷会が開催され、10月には千燈供養会が行われ、「名古屋の火まつり」として親しまれています。

文化財

興正寺は、多くの文化財を有しています。重要文化財には五重塔が含まれており、名古屋市指定文化財には梨木禽鳥図屏風、唐人物図屏風、木造観音菩薩立像などが存在します。また、舞踊家西川嘉義を記念した碑もあり、彼は名古屋西川流の名取第一号として知られる人物でした。

所在地と交通

興正寺は愛知県名古屋市昭和区八事本町78に位置しており、近隣には中京大学、南山大学、名古屋大学といった教育機関があります。また、名古屋市営地下鉄の八事駅から徒歩約3分の距離にあり、多くの人々がアクセスしやすい場所にあります。興正寺は地域の文化や歴史を象徴する場所であり、多くの人々に愛されています。

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