興禅寺 (宇都宮市)

興禅寺（神護山）

興禅寺は、栃木県宇都宮市今泉三丁目に位置する臨済宗妙心寺派の寺院です。山号は神護山と称し、本尊として釈迦如来を安置しています。この寺は「河北禅林」とも呼ばれ、静かで落ち着いた雰囲気が特徴です。

歴史

興禅寺の創建は、宇都宮氏八代目当主である宇都宮貞綱が、真空妙応禅師のために正和3年（1314年）に地蔵堂があった場所に寺院を建立したのが始まりとされています。真空妙応禅師は、かつて黒羽雲巌寺で第五世住職を務めていました。その後、真空は宇都宮貞綱の弟である宇都宮泰宗の子、宇都宮貞泰に招かれ、伊予国大洲に冨士山如法寺と横松山西禅寺を開山しました。

室町時代に入ると、興禅寺は宇都宮氏の隆盛とともに発展しましたが、天文18年（1549年）の喜連川五月女坂の戦いで宇都宮氏が敗北すると、壬生勢が宇都宮城下に侵入し、戦火によって焼失してしまいました。その後、宇都宮広綱によって再建されたものの、宇都宮国綱が豊臣秀吉によって領地を没収されたことで、興禅寺も一時的に廃寺となりました。

江戸時代に入り、奥平家昌が宇都宮城主となると、奥平家の菩提寺として復興されました。奥平家昌と忠昌の二代にわたり、この寺を菩提寺としています。また、江戸時代の仇討ちとして知られる浄瑠璃坂の仇討は、忠昌の子である昌能の在藩中に興禅寺で発生した刃傷事件（宇都宮興禅寺刃傷事件）が発端となっています。

明治維新の戊辰戦争や太平洋戦争によって多くの堂宇が焼失しましたが、戦後に再建され、現在に至っています。

境内

境内には、以下の施設や文化財があります。

本堂：釈迦如来が安置されています。
放光王地蔵菩薩（甘酒地蔵尊、子育地蔵尊）
千手観音堂：千手観音を安置しています。
墓所：宇都宮貞綱、宇都宮公綱、奥平家昌、奥平忠昌の墓碑があります。

文化財

木造釈迦如来坐像：昭和33年（1958年）1月24日に宇都宮市指定有形文化財（彫刻）に指定されています。

アクセス

バス
JR宇都宮駅西口から関東バスに乗車、「今泉一丁目」下車徒歩3分。
東武駅前バス停から関東バスに乗車、「今泉一丁目」下車徒歩3分。
徒歩
JR宇都宮駅西口から徒歩10分

関連項目

妙心寺
臨済宗
宇都宮興禅寺刃傷事件

外部リンク

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神護山 興禅寺
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