舟塚山古墳

舟塚山古墳

茨城県石岡市北根本に位置する舟塚山古墳は、5世紀後半に築造されたと推定される大型の前方後円墳です。茨城県内では最大規模を誇り、関東地方でも太田天神山古墳に次ぐ2番目の大きさを誇ります。古墳は、恋瀬川流域の台地縁辺部に築かれており、北東には府中愛宕山古墳があります。霞ヶ浦との位置関係から、舟塚山古墳は「入舟」、愛宕山古墳は「出舟」とも呼ばれています。

概要

舟塚山古墳は、全長約186メートルの前方後円墳で、墳丘は3段に築かれています。墳丘の周囲には盾形の周濠が巡っており、周濠を含めた古墳全体の長さは約260メートルにもなります。古墳の墳丘からは円筒埴輪が確認されていますが、形象埴輪や葺石の有無は明らかになっていません。古墳の築造時期は、墳形や出土した埴輪の特徴から、古墳時代中期にあたる5世紀後半頃と推定されています。

歴史

舟塚山古墳は、1921年（大正10年）に国の史跡に指定されました。その後、1963年（昭和38年）に測量調査、1972年（昭和47年）には周溝確認のための発掘調査が実施されています。2011年から2013年にかけても測量調査や地中レーダー探査が行われています。

墳丘

古墳の規模は以下の通りです。

古墳総長: 約260メートル (周濠を含む)
墳丘長: 186メートル
後円部: 直径約90メートル、高さ約11メートル
前方部: 幅約100メートル、高さ約10メートル

墳形の類似性から、大仙陵古墳やウワナベ古墳との関連性が指摘されています。周濠は、古墳が台地の縁に位置しているため、台地側である北側のみに設けられ、南側には存在しないと考えられています。周濠の規模は、後円部東側で幅約44メートル、前方部西側で約40メートル、くびれ部北側で最大約63メートルを測ります。

陪塚

舟塚山古墳の周辺には、陪塚と考えられる小古墳が複数存在します。1972年の調査では、そのうちの一つである17号墳から木棺が発見され、短甲、盾、直刀が出土しました。これらの出土品は石岡市指定有形文化財となっています。また、9号墳から出土した箱式石棺は、石岡市民俗資料館前に保存されています。

文化財

国の史跡: 舟塚山古墳（1921年3月3日指定）
石岡市指定有形文化財: 舟塚山古墳群17号墳出土短甲・盾・直刀（1978年8月23日指定）

現地情報

所在地: 茨城県石岡市北根本
交通アクセス: JR常磐線高浜駅から徒歩約10分
関連施設: 常陸風土記の丘（出土埴輪を展示）

周辺の古墳

府中愛宕山古墳

まとめ

舟塚山古墳は、その規模の大きさから、古墳時代中期にこの地域を治めていた有力者の墓であると考えられています。特に、茨城国造の首長墓とする説も有力です。古墳は、茨城県の歴史を語る上で重要な遺跡であり、多くの研究者や歴史愛好家にとって興味深い場所です。古墳の周辺には、陪塚や他の関連施設も点在しているため、歴史散策を楽しむことができます。

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