舩坂弘

舩坂 弘の生涯と業績

舩坂 弘（ふなさか ひろし、1920年10月30日 - 2006年2月11日）は、陸軍軍人、剣道家、および実業家としての多彩な経歴を持つ日本の人物です。彼は栃木県上都賀郡西方村で農家の三男として生まれ、幼少期から活発で活気に満ちた子供でした。学校教育を経て独学で学びを続け、1939年には満蒙学校専門部へ進学します。

陸軍への入隊とアンガウルの戦い

1941年、舩坂は宇都宮第36部隊に現役入隊し、満洲の斉斉哈爾第219部隊に配属されます。彼は戦争中、特に銃剣術と射撃に優れた才能を発揮し、携わったアンガウル島の戦いでは多くの戦果を上げました。彼は擲弾筒分隊の指揮官として参加し、その戦闘技術によって米軍に対し大きなダメージを与えることに成功しました。

この戦闘の中で、舩坂は左大腿部に重傷を負いながらも、驚異的な回復力を見せ、戦闘を続けました。彼は食糧が尽き、仲間が次々と倒れる厳しい状況の中でも、自らの身を投じて米軍の指揮官を標的にした自爆攻撃を試みるなど、命がけの戦いを繰り広げました。

捕虜生活と帰国

戦闘の結果、舩坂は捕虜となり、アメリカの捕虜収容所で数ヶ月を過ごしましたが、その間も彼の闘志は衰えず脱走を試みることもありました。1946年に帰国する際、彼はすでに自らの死を告げられていたものの、故郷に帰り自らの生還を証明しました。

大盛堂書店と剣道への情熱

帰国後、舩坂は書店経営に着手し、渋谷で「本のデパート・大盛堂書店」を創設しました。これは戦後の日本において、新たな文化発信の場となり、多くの人々に影響を与えました。また、彼は剣道教士六段に昇段し、作家の三島由紀夫と親交を深めるなど、武道にも力を入れました。

慰霊碑の建立とその後の活動

舩坂は戦争の記憶を後世に伝えるため、アンガウル島やペリリューなどで慰霊碑を建立する活動に尽力しました。彼の理念は、戦没者の功績を後世に伝え、平和を願うものでした。そのために、彼の著作物の印税を活用したり、国際赤十字社に寄付を行ったりしました。

結び

舩坂 弘の人生は、困難な状況においても屈しない勇気と希望の象徴として、彼を知る人々に長く記憶されています。彼の業績への称賛は、戦争の悲劇から学び、未来に生かしていくことの重要性を教えてくれます。舩坂は2006年に85歳で亡くなり、彼の足跡は今もなお、多くの人に影響を与え続けています。

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