航空システム通信隊について
航空システム通信隊(Air Communications and System Wing, ACSW)は、
航空自衛隊市ヶ谷基地に所在する
防衛大臣直轄の部隊です。かつては中央航空通信群として知られていました。
概要と任務
航空システム通信隊は、
航空自衛隊の情報通信ネットワークとクラウドシステムの運用、維持、管理を担っています。また、情報システムに対するサイバー攻撃への対処や、通信回線の中断といった不測の事態にも対応する重要な役割を担っています。
部隊は、以下の3つの群によって構成されています。
システム管理群:航空自衛隊の通信システム全体の管理・運用統制、各種情報通信システムの管理・監視、および航空自衛隊インターネットの管理・運用を行います。
保全監査群:通信の保全、通信監査、システム監査を任務とし、システムの安全性と信頼性を確保します。
移動通信群:作戦遂行に不可欠な通信回線が中断した場合に備え、全国5か所に移動通信部隊を配置し、不測の事態に対応します。
また、陸上自衛隊・海上自衛隊の指揮通信中枢であるシステム通信団・システム通信隊群、さらに共同部隊である自衛隊サイバー防衛隊とも連携し、高度な情報通信体制を維持しています。
沿革
航空システム通信隊は、その前身である「航空幕僚監部通信所」が1955年1月に越中島で編成されたことに始まります。その後、霞ヶ関への移転、中央航空通信隊への改編を経て、1960年に市ヶ谷基地へ移転しました。1961年には中央航空通信群へと改編され、市ヶ谷通信隊、檜町通信隊、移動通信隊が新たに編成されました。
1967年に市ヶ谷通信隊と檜町通信隊が統合され、中央通信隊として再編されました。その後、基地業務隊、通信保全隊、通信監査隊が順次新編され、移動通信隊も増強されました。
2000年には、中央航空通信群が航空システム通信隊へと改編され、システム管理群、保全監査群、移動通信群が新編されました。さらに、2015年には第5移動通信隊が那覇基地に新編、2020年にはクラウド基盤管理隊が新編されるなど、組織の拡充と機能強化が図られています。
部隊編成
航空システム通信隊は、以下の組織で構成されています。
隊本部
システム管理群
中央通信隊
送信所小隊(千葉県柏市)
クラウド基盤管理隊
保全監査群
通信保全隊
通信監査隊
システム監査隊
移動通信群
第1移動通信隊(熊谷基地)
第2移動通信隊(春日基地)
第3移動通信隊(
千歳基地)
第4移動通信隊(車力分屯基地)
第5移動通信隊(那覇基地)
主要幹部
主要幹部に関する情報は、現時点では公開されていません。
脚注
この情報は、主に以下の資料に基づいています。
「航空自衛隊50年史」美しき大空とともに 航空自衛隊50年史編さん委員会 編(2006.3)
関連項目
基地システム通信部隊
外部リンク
航空システム通信隊
基地司令及び基地業務に関する訓令