航空扱い

航空扱い：迅速な郵便配達サービス

航空扱いは、郵便物を航空機で輸送し、配達時間を短縮するサービスです。国際郵便では「航空郵便」、国内郵便やゆうパックでは「航空機積載」と呼ばれることもあります。現代の日本では、日本[[郵便]]株式会社が主要な事業者としてこのサービスを提供しています。

歴史

航空郵便の歴史は古く、世界初の定期航空郵便サービスは1918年、アメリカ合衆国郵政省がワシントンD.C.とニューヨーク市間で開始されました。それ以前には、普仏戦争中のパリ包囲戦において、気球を用いた郵便輸送が行われた事例があります。しかし、気球は風向きに左右されるため、正確な着陸が困難で、一方通行の輸送に留まりました。その後、飛行機の発達に伴い、郵便物の迅速輸送手段として航空扱いが注目されるようになり、特に戦間期には専用の郵便機が多数運用されました。多くの国では、郵便を所管する官庁が航空業務を管轄しており、日本でも、当初は陸軍省、その後逓信省が航空業務を担っていました。

国内郵便

日本の国内郵便では、速達郵便は可能な限り航空機で輸送されます。普通郵便や小包についても、航空機積載される場合がありますが、速達郵便の輸送が優先されます。近距離の普通郵便は陸路輸送が中心ですが、遠距離や離島間では航空機輸送が用いられるケースが多いです。大量一斉発送の郵便物（例えば、クレジットカード明細書など）は、送達日数に余裕があるため、航空機輸送は行われません。

国内郵便での航空機輸送は、第二次世界大戦後も継続されており、1951年には東京-大阪間で航空郵便が再開されました。過去には、集荷・配達効率を上げるため、夜間の郵便専用便が運航されていましたが、騒音問題などを理由に廃止され、現在は定期旅客便への託送が主流です。

輸送事業者

2000年度までは、日本航空、全日本空輸、日本エアシステムの3社とその系列会社が郵便物の航空輸送を担っていました。2000年以降は、一般競争入札が導入され、スカイマークなどの新規事業者も参入しています。

国際郵便

国際郵便の輸送方法は、船便と航空便の2種類があります。船便は安価ですが、配達に時間がかかります。一方、航空便は迅速で、特に急ぎの郵便物や生鮮食品などに利用されます。航空便で送る郵便物には、「AIR MAIL」または「PAR AVION」と表記する必要があります。

1990年代には、国際スピード郵便（EMS）とエコノミー航空郵便（SAL）が導入されました。EMSは迅速な配達を重視し、SALはコストを抑えたサービスを提供します。EMSの導入により、民間国際宅配会社との競争や提携が活発化しました。

国際郵便はがき・航空書簡

万国[[郵便連合]]加盟国では、航空書簡と国際郵便はがきが発行されており、切手を貼らずに航空便で送ることができます。日本[[郵便]]では、国際はがきと航空書簡を販売しています。

エアメール封筒

エアメール封筒は文房具店などで販売されていますが、航空便と分かる表記と適切な料金の切手を貼れば、通常の封筒でも航空便で送ることができます。ただし、サイズと重量制限があります。

国際返信切手券

国際返信切手券は、相手国への返信用として販売されており、万国[[郵便連合]]加盟国であれば、航空便で返信することができます。

積載禁止品

航空機への積載が禁止されている品物があります。国内郵便では、火気・爆発物、ゆうパックで品名が不明なものなどが禁止されています。国際郵便では、IATAが指定する航空危険品やワシントン条約で指定された輸入禁止品などが禁止されています。

脚注

特になし

関連項目

郵便、郵便機、郵便法、貨物航空会社、フェデックス、日本貨物航空、ANA&JPエクスプレス、日本[[郵便]]輸送、国際郵便、EMS、DHL

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