航空自衛隊安全の日

航空自衛隊安全の日は、1999年8月から2000年7月にかけて航空自衛隊で発生した、連続する航空機墜落事故（計5件、13名殉職）を契機に制定されました。この期間に発生した事故の教訓を忘れず、安全に対する意識をより一層高めるため、毎年7月1日には全国の航空自衛隊基地で飛行訓練を停止し、安全教育が徹底されます。

背景

1999年から2000年にかけて相次いで発生した5件の墜落事故は、航空自衛隊内外に大きな衝撃を与えました。特に、2番目に発生したT-33A入間川墜落事故は大規模な停電を引き起こし、社会的な混乱を招きました。さらに、3番目のT-2女川墜落事故と5番目のブルーインパルス牡鹿半島墜落事故は、同じ基地から発生し、かつ女川原子力発電所の近隣であったことから、地域住民に大きな不安を与え、社会問題となりました。

安全の日の目的と内容

航空自衛隊安全の日は、これらの事故の記憶を風化させることなく、安全教育を徹底することを目的としています。毎年7月1日には、全国の基地で一斉に飛行訓練が停止され、航空幕僚長からの訓示が全隊員に対して行われます。また、各基地や部隊ごとに式典や教育プログラムが実施され、隊員一人ひとりが安全に対する意識を再確認し、向上させるための取り組みが行われます。

7月1日が選ばれた理由としては、五大事故のうち4番目のC-1隠岐諸島沖墜落事故と5番目のブルーインパルス牡鹿半島墜落事故の発生日に近いこと、そして航空自衛隊史上最大の死亡事故である全日空機雫石衝突事故（1971年7月30日発生）の日付と重ならないように配慮された結果です。

五大事故

1999年8月15日：F-4EJ改福江島沖墜落事故（2名殉職）
1999年11月22日：T-33A入間川墜落事故（2名殉職）
2000年3月22日：T-2女川墜落事故（1名殉職）
2000年6月28日：C-1隠岐諸島沖墜落事故（5名殉職）
2000年7月4日：ブルーインパルス牡鹿半島墜落事故（3名殉職）

その他

なお、スケジュールの都合上、7月1日に安全の日を実施できない場合は、別の日程に振り替えて実施されます。

関連項目

航空安全の日：日本航空123便墜落事故発生の日（8月12日）

もう一度検索