良純入道親王

良純入道親王

良純入道親王（りょうじゅんにゅうどうしんのう）は、慶長8年（1604年）に後陽成天皇の第八皇子として誕生した皇族です。母は典侍の庭田具子。幼少の頃、徳川家康の猶子となり、直輔親王と名乗りました。通称は八宮。

生涯

5歳で知恩院の門跡に治定され入寺しますが、出家は先送りされました。慶長19年（1614年）に親王宣下を受け直輔親王となり、翌元和元年（1615年）には徳川家康の猶子となります。

元和5年（1619年）、16歳の時に満誉尊照を戒師として出家し、良純と名乗りました。しかし、寛永20年（1643年）に突如として甲斐国天目山へ配流されます。配流の理由は諸説あり、寺務を巡る大衆との対立、酒乱による乱行、幕府の朝廷や寺院への介入を非難する言動、待遇への不満、出家そのものへの不満などが挙げられています。根本には、飾り物である門跡の地位への不満と、江戸幕府からの抑圧に対する不満があったとする見方が有力です。その後、甲府の興因寺に移され幽閉されました。

万治2年（1659年）に勅許を得て帰京しますが、知恩院には戻らず泉涌寺に居住します。その後、北野で還俗し隠退生活に入り、以心庵と号しました。

寛文9年（1669年）、67歳で薨去。泉涌寺に葬られ、専蓮社行誉心阿自在良尚大僧正の諡号が贈られました。没後、明和5年（1768年）の百回忌に際して名誉回復が図られ、改めて無礙光院宮良純大和尚の諡号が贈られています。

人物

良純入道親王は、皇族でありながら、徳川家康の猶子となるなど、複雑な立場に置かれました。知恩院の門跡という要職にありながら、幕府との関係や自身の処遇に不満を抱き、それが配流という結果につながったと考えられています。帰京後は隠遁生活を送り、その生涯は波乱に満ちたものでした。

関連項目

入道親王
八千代太夫

もう一度検索